個人的に本作の過去最高点を更新。
刀使ノ巫女 第11話「月下の閃き」 ©伍箇伝計画/刀使ノ巫女製作委員会
「刀使ノ巫女」11話を視聴。折神家屋敷で可奈美はここで皆と出会ったのだと回想する。可奈美の言葉の上では含まれていないだろうが、お話の上ではおそらく「皆」に親衛隊も含まれている。そういう多くのドラマを見出だせる回でした。#tojinomiko
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2018年3月17日
S装備は物語において大きく2つの効果を持っている。1つは制服の異なる可奈美達を統一化する一方で同じ親衛隊服に身を包む獅童達との差別化。もう1つは時間制限を付与する事での結芽との共通化。#tojinomiko
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2018年3月17日
ノロを注入した獅童達はノロと一体化しているのであり、ノロを身にまとう可奈美達はノロと共存している。力を増すという意味では同じなのだが、前者は必要に応じてそれを切り離す事ができない。別にこれは姫和のパージ反撃だけを指しているわけではない。#tojinomiko
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2018年3月17日
舞衣は敗色を半ば覚悟でエレンと薫、そして自分を「切り離す」事で可奈美と姫和を紫の所に送り届けようとする。また、可奈美と姫和は相手の斬撃によって失った片腕を「切り離す(あるいは写シを解除する)」事で反撃を試みる。1人である結芽には、手分けも切り離す事もできない。#tojinomiko
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2018年3月17日
もし結芽が他の誰かと一緒なら、彼女を可奈美のところへ送り届ける事もできただろう。けれど彼女にはそういう相手はいない。その対比として、時間切れで力尽きる結芽とS装備の制限時間内に紫のところまで辿り着く可奈美達の姿がある。#tojinomiko
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2018年3月17日
そして結芽を絡めて、親衛隊の人間関係そのものが可奈美達と対比される。獅童は彼女に追いつきたいと思っていた。彼女が力を求める理由に、傍らで自身をライバル視する寿々花の姿はない。#tojinomiko
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1話は舞衣→可奈美→姫和という「切っ先を向ける(意識する)」のラインができていたが、親衛隊は寿々花→獅童→結芽というのがラインだった訳だ。そして当然ながら2つの関係は同じ結末を迎えない。#tojinomiko
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2018年3月17日
寿々花は力でなければ得られない幸福もあると言った。つまり彼女は力を得る事で獅童に見てほしかったのだろう。5話で可奈美に対して「私を見なさい!」と5話で言っていたのは、そのまま前述のラインで同じ位置にある獅童に置き換えられる。#tojinomiko
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2018年3月17日
力を得ても寿々花は獅童に見てもらえなかった。けれど寿々花と同じ位置にある舞衣は、指揮官としての冷静な判断という力以外の物を得る事で可奈美に「見て」もらえた(「舞衣ちゃんがいてくれて良かった!」)。#tojinomiko
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2018年3月17日
この戦いでは寿々花はついぞ獅童に見てもらえなかったが、それは彼女と同じ位置にいる可奈美によって擬似的に果たされる。かつてよそ見して自分を見なかった彼女が、今度は自分に真っ向から向き合い、技を盗むという形で彼女を「見る」。だから最後に彼女は微笑んでいたのだろう。#tojinomiko
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2018年3月17日
結芽もまた、自分の「力」によって多くの人に自分を「見て(覚えて)」ほしかった。けれど彼女は、力によって獅童に「見て」もらえている事に気付けていなかった。舞衣が非情な判断をする程に自分の事を「見て」いる事にも。力で得られる物はある。けれど力だけでは。#tojinomiko
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2018年3月17日
対比されるのは舞衣&沙耶香、高津学長&夜見も同様。高津学長にとって後継の刀使が自分と同一視する存在なのはこれまでも描かれてきた(「私として紫様にお使えするべき」)。刀使でなくなった彼女にとって、沙耶香を育てるのは自分にノロを注入するのと等しい行為なのだ。#tojinomiko
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2018年3月17日
もちろん、舞衣と沙耶香はそうはならない。沙耶香は舞衣の指揮に背いて自分を通し、舞衣もまた怒るようでいてそれを受け入れる。一方的でなく共存するその関係はノロと共にあろうとする可奈美達の姿勢の表れの1つであり、つまり高津学長との対決はそのままスタンスの対決になる。#tojinomiko
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2018年3月17日
そして、紫は二刀流の使い手である。二振りの刀が1人のもとにあるそれはノロと刀使の融合というスタンスに合致し、一方で2人で紫にかかる可奈美と姫和は当然ながら二振りの刀が2人のまま。つまりそれは、ノロと共存するスタンスに合致する。だからこの戦いもまた、スタンスの対決。#tojinomiko
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2018年3月17日
これで次回の副題が「ひとつの太刀」なんだから、僕としてはもう興奮することしきりでした。1話の「それがお前の一の太刀か」という紫の台詞がこう生きてくるのか……明日の三の太刀を見に行く時間が取れたのが本当にありがたい。#tojinomiko
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2018年3月17日