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「ゾンビランドサガ」7話。車に轢かれる純子の姿にさくらはデジャヴを感じる。言わばさくらの死を純子が「語り直した」と言えるわけだが、語り直しもまた「蘇り」である。#ゾンビランドサガ
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年11月6日
立てこもる純子とレッスンを続ける愛は、もう一度話す機会を持たない。「語り直す」機会を持たない。本人が本人の言葉を語り直すのはひどく難しい。それがしばしば語り直しではなく単なる繰り返しに終わってしまうのが分かっているから、2人とも動けない。#ゾンビランドサガ
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年11月6日
ゆえに語り直しは別の人間、幸太郎がすることになる。また彼自身、ドアを足で蹴破った結果純子を気絶させてしまい、一度は語るのを諦めねばならない。#ゾンビランドサガ
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年11月6日
幸太郎がするのはまず、30年の間に何があったかの語り直しだ。一時代の人間同士では噛み合わない言葉も、30年を理解する言葉で語り直されれば純子も感情的にならずに聞くことができる。#ゾンビランドサガ
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年11月6日
そこにあるのは人々の生活とアイドル観の大きな変化、そしてアイドルの根底にあるものは変わらないという話。平成のアイドルは昭和のアイドルと別物なのではなく、その「語り直し」なのだと幸太郎は語っているのだ。#ゾンビランドサガ
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年11月6日
理解はしても同じようにはできないという純子に幸太郎は、ならば更に語り直せばいいと助言する。ファンとの一線を越えない昭和のアイドルの矜持をそのままやれないのなら、「自分のキャラ」として語り直せばいいのだと。#ゾンビランドサガ
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年11月6日
語り直されたそれは、2話で語られたように以前と同じではない。しかし逆に言えば外面は違っても根っこは同じということ。別物ではないということ。#ゾンビランドサガ
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年11月6日
幸太郎は語る。愛もまた悩んでいるのだと。不安と戦っているのはお前だけじゃない、愛達の不安も純子の不安も同じ悩みの「語り直し」なのだと。純子が共にあるべきは頭に生えた6本のキノコではなく、6人のメンバーなのだ。#ゾンビランドサガ
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年11月6日
こじ開けられたドアを自分で開け直し、轢かれて中断した言葉を語り直し、純子は叫ぶ。自分はアイドルなのだと。現代においても自分は昭和のアイドルなのだと。それは、他の皆が適応する現代のアイドルもまたアイドルなのだという肯定でもある。#ゾンビランドサガ
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年11月6日
訪れた佐賀ロックフェス会場で、純子はかつて愛が所属していたアイアンフリルのライブを見る。もちろんそこに愛はいないが、後輩のパフォーマンスを見るだけでかつての愛の姿は先週純子が軽蔑したようなものではない事は伝わる。後輩は愛の姿を語り直した。#ゾンビランドサガ
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年11月6日
たえがサキの真似をするように。さくらが円陣でサキに代わって気合を入れ直すように。「語り直し」は必ずしも1人でやるものではない。誰かの言葉を時間すら越えて語り直し、支え合うのがフランシュシュ。#ゾンビランドサガ
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年11月6日
だから純子もまた、かつて自分が愛にかけられた言葉を語り直す。タイミングが合わないことに対するフォローの言葉を、死因となった雷への恐怖に対するフォローの言葉として語り直す。愛のソロパートを自分のパフォーマンスで語り直す。#ゾンビランドサガ
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年11月6日
そして、ステージに落ちた雷はゾンビィとなった愛を再殺することはなく、また一瞬途切れたステージは幸太郎の掛け声とともに語り直される。曲は「目覚めRETURNER」テクノバージョン。あのゲリラライブから再び、この曲もまた語り直された。#ゾンビランドサガ
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年11月6日
アイアンフリルに始まり人気バンドの演奏で盛り上がっていたステージは、強まる雨とパフォーマーが無名のアイドルであることで人数も熱気も冷めてしまっていた。けれどフランシュシュは再びコールまで起こるほど、観客の興奮を「蘇らせた」。#ゾンビランドサガ
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年11月6日
かくて、純子の果たせなかった九州ツアー、愛の果たせなかったライブとアイドルグループの続きはフランシュシュによって「語り直された」。そしてそれはまだ、終わりではない。#ゾンビランドサガ
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年11月6日
「目覚めRETURNER」が歌う「一人じゃない!」とは、自分の言葉を語り直してくれる誰かがいるということなのだろう。蘇らせてくれる誰かがいるということなのだろう。かけがえのないそれを得て、フランシュシュは次のステージへ進むのだ。#ゾンビランドサガ
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年11月6日