タイトル再考。
「ゾンビランドサガ」9話。伝説とは伝えられるもの。伝説を「蘇らせる」とは、伝え直すことだ。塗り替えることだ。#ゾンビランドサガ
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年11月6日
人に何かを伝えることは難しい。さくら達に因縁を付けるレディース・怒羅美の面々は、リリィが小学生であると知ったりたえに妨害されるたびに話を伝え直す羽目になる。#ゾンビランドサガ
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年11月6日
そもそも彼女達自身、「伝え聞いた」怒羅美の再現を試みた存在に過ぎず、その姿はかつてと大きく変わっている。バイクも原付。
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年11月6日
それでも現総長・万梨阿の目元は、母がかつてのレディース仲間の麗子であることをサキに雄弁に伝える。#ゾンビランドサガ
ゾンビィになったとて、旧友の娘を放ってはおけない。そんなサキを幸太郎が制止する理由は十分に伝わっていないから、幸太郎は伝え直さなければならない。暴力沙汰はゾンビィだからというだけでご法度なのではない、今の彼女がアイドルでもあるからご法度なのだ。#ゾンビランドサガ
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年11月6日
かつて麗子がサキに語った、自分は普通の青春を送れなかったから子供にはそうなってほしくないという夢は、万梨阿には伝わっていない。万梨阿が母を愛すればこそかつての姿を守ろうとしていたことも、伝わってはいなかった。#ゾンビランドサガ
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年11月6日
そんな2人のところへ再び向かおうと、伝え直そうとするサキは、当然幸太郎にも伝え直さなくてはならない。自分はレディースとして行くのではない、アイドルとして行くのだ。「一日○○」もアイドルの仕事。麗子の登場コースを塗り替えるように、サキは鏡山へ現れる。#ゾンビランドサガ
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年11月6日
かつてサキが抱いた九州・全国制覇という伝説への野望は、怒羅美と殺女の抗争による事故死という伝説に終わってしまった。だからサキがやるのは単なる勝負の代行ではない。伝説の伝え直しだ。#ゾンビランドサガ
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年11月6日
絶対死なないという宣言を今度は成功させて、サキは事故死の伝説を塗り替える。そして相変わらずアクセル全開の彼女は、麗子に勝つことができない。伝説を塗り替えた少女をぶん殴る胆力を見せることで、万梨阿には母の強さが伝わり直した。尊敬が、「蘇った」。#ゾンビランドサガ
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年11月6日
そしてサキは、伝説はもうここにはないことを告げる。もはや文化としては死に体で伝説になりつつある暴走族の、死して伝説となった少女は今ステージの上にいる。ステージの上では、死んだものも蘇ることを許される。伝説は、境界の壁の向こうにあるのだ。#ゾンビランドサガ
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年11月6日
サキは自分が麗子の旧友であることを語らない。彼女はゾンビィだから。アイドルだから。そして既に伝説となった存在だから。この9話は、前回の元子役のリリィの話を元レディースのサキによって語り直したものでもあった。#ゾンビランドサガ
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年11月6日
ゾンビィ×アイドルというインパクトに目を奪われがちだが、本作はサガでもある。伝説的物語でもある。明らかになってきたゾンビィとアイドルの相似に更に伝説をも組み込んでくる野心は、残り3話で何を見せてくれるだろうか。#ゾンビランドサガ
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年11月6日