「推しが武道館いってくれたら死ぬ」1話。ライブ中心の地下アイドルは、ファン個人を覚えていても不自然でないほど距離が近い。地下アイドルは魅せる者であると同時にファンを見る者でもあるわけだが――その時、アイドルはアイドルとしてだけでいられるのだろうか?#推し武道
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2020年1月10日
地下アイドルグループ「ChamJam」の女の子達は自らチラシ配りをする身であり、いくらかわいかろうが登場するだけで周囲を、空気を、あるいは背景を変えるほどの力は今は持っていない。本作でそういう力を持っているのはむしろ、アイドルの舞菜に夢中なえりぴよの方だ。#推し武道
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2020年1月10日
遠目からも分かるえりぴよの姿に舞菜は去ってしまい、空音はファンのくまさや基同様に冷や汗をかき、カメラは複数でえりぴよを追う。彼女の登場は周囲を変える。しかしそれはえりぴよが主役だからか? 違う。彼女が魅せる力を持っているから、画面はそのようにえりぴよを写すのだ。#推し武道
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2020年1月10日
舞菜の応援で、えりぴよは時にステージを中断させるほど周囲を魅せる。収入を推しに全て貢ぎ自らの服は高校時代の指定ジャージ、舞菜のかわいさに興奮のあまり鼻血を吹き出す……全ては彼女の「ステージ」。ドルオタであるえりぴよはステージ下、そう「地下」でアイドル性を発揮している。#推し武道
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2020年1月10日
アイドルが歌って踊るように、ドルオタは推しへの愛を歌い推しのためにその人生を踊らせる。ランダム商法をコンプまで、握手のためにCD多々買い、16時からのCD販売のために6:30から並ぶ。私達にはギャグとすら映るその行為こそはドルオタのステージ・パフォーマンス。#推し武道
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2020年1月10日
熱くて頭がよく回らないかのような、我に返ればバカバカしいほどの入れ込みを披露して初めてドルオタはドルオタたり得る。そうやって積み重ねてきたからこそ、えりぴよやくまさは古参として崇められているのだ。#推し武道
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2020年1月10日
「推しが武道館いってくれたら死ぬ」。そう言えるほどえりぴよは舞菜にイカれている。そしてそう言えるほどのステージ・パフォーマンスだからこそ、塩対応のようで舞菜もまた彼女を見ている。魅せられている。#推し武道
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2020年1月10日
手も付かないほど離れた、傍から見れば失敗でしかないチェキ写真。しかし舞菜はそれを大事に持っている。感謝の気持ちを明日こそ素直に伝えたいと胸に秘めている。舞菜は確かにアイドルだ。しかしえりぴよの写真を見つめるその瞳は、アイドルに対するファンの眼差しなのである。#推し武道
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2020年1月10日
舞菜を推すから奇行じみた行動に走るえりぴよ。そんなえりぴよに感謝しているからこそなかなか口にできない舞菜。2人がアイドルに感じる「キラキラ」は、その行動を狂わせてしまうほどに重い。#推し武道
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2020年1月10日
想い合って、しかし届かずそもそも合いそうもない形の2人の手。それが描くハートの形は、どんなものだろう。#推し武道
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2020年1月10日
というわけで、以上が推し武道1話のレビューになります。いやあ、面白い。1度目は笑い、そして2度目の視聴ではうるうるしてしまいました。#推し武道
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2020年1月10日
僕はいわゆるアイドルというものへの関心が乏しく、CDの大量購入や追っかけというものをしたことがありません。アニメでも関心の中心はもっぱら映像作品そのもので、舞台挨拶やイベントにも血眼になったりはしない。#推し武道
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2020年1月10日
要するにドルオタとは縁遠い人間であり、そこまですることが正直理解できない。そして、だからこそえりぴよ達の姿を見て何かを知ることができるかもしれない。それが僕が本作を視聴することにした理由でした。#推し武道
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2020年1月10日
けれどそもそも、えりぴよ達が費やしているのはけしてお金だけではありません。そこでは時間や価値観までも含めた、己のリソースとでも呼ぶべきものが費やされている。そして己のリソースを費やしているのは、ドルオタだけではない。#推し武道
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2020年1月10日
僕は平日、深夜アニメは録画を夕飯の前に視聴します。そこから夕飯を食べながらレビューのための仮説を立て、もう一度見て仮説を検証・ブラッシュアップする。構成を検討して文章を書き、つぶやく……ブログにまとめるのを含めると、30分アニメ1話に3時間近くかかるのが普通です。#推し武道
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2020年1月10日
これでは平日に見るのは1本が限度だし、レビューを書くのに退勤時間を利用しても家でできることはほとんどありません。もっと長時間かける人もいるかと思いますが、僕の現状がまともな時間……つまりリソースの使い方とは言えない生活なのは間違いないでしょう。#推し武道
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2020年1月10日
我に返ればバカバカしいほどで、他の人なら時間をもっと生産的に使うのだろうと思います。けれど僕はそうせずにはいられない。作品を見ればこうして言葉にせずにはいられない。ドルオタがアイドルにイカれているなら、僕はアニメ(に限らないが)レビューにイカれている。#推し武道
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2020年1月10日
そう気付いた時、ドルオタは僕にとって必ずしも理解不能な存在ではないように思えました。全く縁遠い筈が自分に通じるものを感じ、その作品がとても好きになる。普通なら終盤に理解できるそういう経験が1話にして訪れ、だから僕は終盤のようにうるうるせずにはいられなかったのです。#推し武道
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2020年1月10日
始まりだけでこんな気持ちになってしまった作品を、僕はこれからどんなふうに見ていくことになるのか。次回も楽しみです。#推し武道
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2020年1月10日
それにしてもこのカットがいい。えりぴよ、ドルオタとアイドルの両サイドに足をかけてる。#推し武道 pic.twitter.com/pv6NZnJzQe
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2020年1月10日