「歌舞伎町シャーロック」13話。シャーロック達とモリアーティは面会室という同じ場所にいながら、全てを共有することはできない。ハドソン夫人の服装、区境越えの許可、モリアーティ(ジェームズ)への暴力などにワトソンは何もできない。人と人が全てを共有できないように。#歌舞伎町シャーロック
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2020年1月11日
同じ場所にいても全てを共有できないのなら、同じ世界にいてもそれは変わらない。名家の生まれで天才の血筋でもシャーロックとホームズ家は価値観を等しくできないし、ジェームズは幼少時から自分に欠落を感じていた。#歌舞伎町シャーロック
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2020年1月11日
ジェームズは母と妹がそれを埋めてくれていたと言う。しかし、穴を埋めてくれる人が全てを共有できるわけでもない。双子だって例外ではないことは、ジェームズと異なるアレクの体の弱さが証明している。#歌舞伎町シャーロック
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2020年1月11日
同じ学校という場所にいても共有できないからとアレクの部屋を居所にするジェームズ。しかしアレクはそんな彼の背中を蹴倒し、自らはベッドの上に仁王立ちする。この時、2人の間には高さの違いが生まれている。全部は共有できないよとアレクは突き放している。#歌舞伎町シャーロック
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2020年1月11日
しかし逆に言えば、全部でなければ共有できることもあるのだ。歌舞伎町の無秩序がシャーロックには自由として感じられたように。#歌舞伎町シャーロック
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2020年1月11日
それは全部でないから、喜びばかりをもたらしてはくれない。シャーロックは惹き付けられた落語の世界にいる資格を持っていなかったし、共有できると感じていた人に囲まれていてもモリアーティは罪を犯した。#歌舞伎町シャーロック
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2020年1月11日
一部でも共有できればこそ、人は共有できない差異に苦しむ。シャーロックを共有するワトソンとマイクロフトのように。モリアーティが刑務所で一人ぼっちの自分を感じるように。#歌舞伎町シャーロック
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2020年1月11日
刑務所を出るという点を共有できたとて、命の有無を共有できなければそれは悲惨に変わる。そもそもアレクの殺害は彼女とジェームズがあまりに多くを共有するからこそ、わずかな差異が皆の想像を超えてしまった事件だった。#歌舞伎町シャーロック
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2020年1月11日
人は全てを共有できない。囚人同士みな仲良くとはいかないし、気にかけてくれる人だって娑婆でどんな悪行をしてきたとも知れない。#歌舞伎町シャーロック
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2020年1月11日
それでも、確かに共有できるものはある。今回の事件が「生きている小平次」と部分的に重なるように。落語と推理がシャーロックの求めるものを共有していたように。血なまぐさい話は嫌でも、ジェームズの笑顔をアレクが喜べたように。#歌舞伎町シャーロック
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2020年1月11日
傍目にはそっけなく、しかし差し入れに自分の趣味ではなく四つ葉のクローバーを挟む。シャーロックとモリアーティはそういう限定的な共有関係にある。
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2020年1月11日
刑務所でも安心できないモリアーティの、そして探偵長屋の今後は。後半戦は、静かに始まった。#歌舞伎町シャーロック
というわけで歌舞伎町シャーロックの13話レビューでした。スタート速度としてはゆっくりめな感じですが、全体へのテーマにおいて大切なものが示されていたように思います。きっと後々、ここで見立てたことを振り返る時が来る。#歌舞伎町シャーロック
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2020年1月11日
とは言え今後の展開は全く予想もつきません。まさかモリアーティの脱走劇をメインにするわけでもないでしょうし、これからどんな謎が生まれていくのか。続きを見ていきたいと思います。#歌舞伎町シャーロック
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2020年1月11日