「虚構推理」10話。琴子の放つ第2の解決は鋼人七瀬を実在の亡霊としたもの、第3の解決はでっちあげとしたもの。無節操にも思えるこの2つの解決にはしかし、共通点がある。「嘘が人に幸せをもたらす」ことだ。
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2020年3月15日
(C) 城平京・片瀬茶柴・講談社/虚構推理製作委員会#虚構推理 pic.twitter.com/oyBrknhjTi
第2の解決で中心となるのは、他殺の疑いのある事故死を遂げた七瀬かりんの父親。娘から殺されることを仄めかしていた彼の手記から、琴子はその手記自体が父親の嘘であった可能性を指摘する。#虚構推理
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なぜそんな事をしたのか? 娘の収入で生活する事にコンプレックスがあり同情もしてもらえない彼にとって、娘の栄光を打ち砕いて道連れに死ぬことだけがプライドを守る方法だったから。娘に殺されたと嘘をつくことが唯一、彼にとって幸せへの道だった。#虚構推理
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第3の解決は、鋼人七瀬の存在そのものを幸せのための嘘とするものだ。手記の公表者をかりんの姉・初実であるとし、それが彼女自身を悩ませる疑念(嘘)を呼んでいる。だから第三者が鋼人七瀬という嘘を生み出し、それを晴らそうとしているのだと琴子は仮説を打ち立てる。#虚構推理
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父と姉を事件に関わらせながら、琴子は2人に非難の矛先だけが向かうことを巧妙に避けている。真実が正、嘘が悪というルールを破るなら、せめてその嘘は他者を不幸にするものであってはならない。第2第3の解決を放つ琴子は、その内容同様に嘘で人に幸せをもたらそうとしている。#虚構推理
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鋼人七瀬という嘘を自ら生み出し自らを苦しめている人々の姿は、第3の解決に見られる初実の姿そのものだ。だからそれを更なる嘘によって解消しようという琴子の考えは、解決という以上にケアと呼んだ方が適切なのかも知れない。#虚構推理
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そして、だからこそ第3の解決が初実をかえって不安がらせるという六花の指摘は致命傷となる。人を幸せにするためという動機が不成立なら連鎖的に全てが成り立たないのは、第3の解決だけではなく琴子の手段そのものなのである。#虚構推理
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2020年3月15日
琴子に残された第4の解決は、それを打ち砕かなければならない。単なる優勢劣勢を超えた難題を、彼女は突破することができるだろうか。#虚構推理
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2020年3月15日
以上が虚構推理の10話レビューです。なんでもありになるという名無しの指摘はその通りで、前回「定かでない」ことを勝利の緒としたゆえに、琴子と本作は自由の迷路に入り込む危険に陥っていました。そこで何を遵守するべきなのか、という理念が示されたのはとても大きい。#虚構推理
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2020年3月15日
前回と今回に引っかかりを感じた人に「承知してるよ、もうちょっと待ってね」と言ってくれているお話なのではないかと思います。さてさて、最後の虚構とは果たして。#虚構推理
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2020年3月15日