「歌舞伎町シャーロック」24話。前回のレビューで追記したように、本作はやり直しの物語。ならばこの最終回でも必要なのはやり直しだ。シャーロックにはモリアーティとの「別れのやり直し」が必要だ。
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2020年3月28日
©歌舞伎町シャーロック製作委員会#歌舞伎町シャーロック pic.twitter.com/EY9ndaXE0y
シャーロックの殺人容疑は否定され、脱獄囚の自殺条件は追加され、花言葉のメッセージだったカタバミや無意味とはぐらかされた数字は暗号へと変わる。全てはやり直しであり、全てはモリアーティに繋がっている。#歌舞伎町シャーロック
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2020年3月28日
モリアーティとは何だったのか? それが分からないまま逝ってしまったからシャーロック達長屋の住人は戸惑い、傷ついた。だから別れのやり直しにはモリアーティの認識のやり直しが必要であり、モラン邸でもパイプキャットでもない隠れ家にその心がある。#歌舞伎町シャーロック
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2020年3月28日
語られるのはカーライルが殺されなかった理由、そしてアレクが以前は死にたがっていて、モリアーティの壊れた心を救うのが生きる理由になっていたこと。過去の中でも、過去はやり直されていた。#歌舞伎町シャーロック
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2020年3月28日
モリアーティは確かに許されざる人殺しだ。しかしそんな人間だったからこそ、アレクに対する「人生かし」でもあった。心の壊れた兄と体の壊れた妹は、互いが互いをやり直させるパートナーだった。#歌舞伎町シャーロック
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2020年3月28日
推理とは目の前にある事実の「やり直し」。推理落語を通して、シャーロックはモリアーティという人物を解き明かし直していく。生意気な少年も悪辣な殺人鬼もどちらも嘘ではない。1人の「人間」としてモリアーティの姿は再び浮かび上がる。#歌舞伎町シャーロック
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2020年3月28日
「今から俺を殺すのは俺じゃない、君なんだ」……モリアーティにとっては救いでもシャーロックにとっては絶望だったその言葉を、シャーロックは解き明かし直す。#歌舞伎町シャーロック
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2020年3月28日
自分にはモリアーティに対して何かできたはずで、できなかったから彼はもういない。それがシャーロックにとっての「今から俺を殺すのは俺じゃない、君なんだ」を捉え直した形、やり直した形。だからシャーロックはモリアーティの人形めがけて引き金を引く。彼の殺害をやり直す。#歌舞伎町シャーロック
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2020年3月28日
モリアーティの遺筆にシャーロックは泣く。みっともないくらい泣く。親しい人が死んだのだ。永遠の別れになったのだ。泣いて泣いて泣いて、吐き出しきってようやく人間は立ち直れる。やり直せる。もうここに、落語好きの「ロボット」はいない。
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2020年3月28日
©歌舞伎町シャーロック製作委員会#歌舞伎町シャーロック pic.twitter.com/lNErNQwkNC
そうして再び、長屋のバカバカしい日常が戻ってくる。1話のようなレストレードの依頼にハドソン夫人の口上、ワトソンを加えて7人の探偵は動き出す。彼らはモリアーティを巡る事件を乗り越えることができた――やり直すことができた。#歌舞伎町シャーロック
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2020年3月28日
これからも歌舞伎町では何かが起きる。そして探偵達はこれからも、謎を解き明かして事実をやり直していくだろう。#歌舞伎町シャーロック
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2020年3月28日
というわけで歌舞伎町シャーロックの24話レビューでした。友人としてのモリアーティや3話を残して彼が死ぬという変則的な物語にも関わらず、収まるべき場所に収まった終わり。それは本作が「やり直しの物語」であることを一貫していたからなのでしょう。#歌舞伎町シャーロック
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2020年3月28日
「やり直せる」とはもはや陳腐なほどの言い回しですが、だからこそそれを中心に据えることは重い。犯罪からの更生という意味を逸脱することで本作は、「シャーロック・ホームズをやり直す物語」たり得る人間の話を描いていました。#歌舞伎町シャーロック
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2020年3月28日
モニタ上のシャーロック達の活躍はもうおしまい。けれどその向こうで確かに彼らは生き続けている。そう思わせてくれるこの最終回を見せてくれたことに感謝したいと思います。ベストエピソードは21話。スタッフの皆様、お疲れさまでした!#歌舞伎町シャーロック
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2020年3月28日
<追記>
そうそう、レビュー中では触れなかったけど、マイクロフトの「お前にお兄さんと呼ばれる筋合いはない」が「弟に兄さんと呼んでほしい」という意味だったと「やり直された」のは傑作だった。ブラコンなのは予想したがここまで重症だったとは……
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2020年3月28日
©歌舞伎町シャーロック製作委員会#歌舞伎町シャーロック pic.twitter.com/3KpdYx83nR