「波よ聞いてくれ」5話。ラジオの打ち合わせをしなければならないが、落ち込んだ今のミナレには瑞穂のお祝いタイムが必要だ。「虚」が無ければ、虚無的な「実」に立ち向かえない。
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2020年5月4日
©沙村広明・講談社/藻岩山ラジオ編成局#波よ聞いてくれ pic.twitter.com/KeWaEkTkWB
そもそもミナレの番組自体が虚の塊なのだ。固定コーナーなど無い、スポンサーもいない、放送事故を装う架空実況、原稿はスカスカ、初回は番組表にも載らない……アテにするのは口コミだけ。#波よ聞いてくれ
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2020年5月4日
根拠の実は心強いがそんなものは欠片ほどしか存在しないのが「実」状であるのは珍しくもない。それを大きく見せかける――いや、大きくするのは「虚」の仕事である。ミナレの無根拠な自信は、麻藤の無責任な言葉によって復活する。#波よ聞いてくれ
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ミナレの話は脚本もアドリブも、全てが全て全くの作り物なわけではない。詐欺師の元カレも宇宙人との遭遇も彼女の経験や直前に聞いた話という土台があって初めて成立したものだ。欠片ほどの実を盛りに盛ったものだ。実を元に生んだ虚だ。#波よ聞いてくれ
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しかしそれは時に現実を凌駕する。元カレ殺しの語りは実際に刺殺事件が起きる寸前の修羅場より生々しく、聴いていた女は混乱してそれを行動に移せない。#波よ聞いてくれ
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同時にそれは時に虚構であることすら凌駕する。宇宙人との遭遇だなんて今更騙される人間もいないだろうが、織り込まれた元カレ(のクローン)との和解は嘘と分かっていても不思議と胸を打つ。嘘に涙するのは飼い犬の話を聞いた瑞穂だけではない。#波よ聞いてくれ
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何より、ミナレ自身がこの虚実の波間に救われも浸食されてもいるのだ。20分喋って世界の何が変わったわけでもない、けれど気持ちは上向いたし翌日にはそれに絡んだ夢だって見る。現実なら射殺したい相手もそこでは救ってしまうし、のしかかる亀も採血装置になる。#波よ聞いてくれ
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ラジオを虚業と呼んだ中原だって番組があるなら聞きたいし、尋ねられたことを否定しても動揺すればクロと判断される。明日には違うことを言っているかもしれないのと同じくらい虚実の波間は流動的で、ミナレはそこに飛び込んでいくのである。#波よ聞いてくれ
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2020年5月4日
というわけで波よ聞いてくれの5話レビューでした。前回の動揺がそのままネタになるのではなく、むしろそれを励ますような内容でした。元カレとのエア和解や事件阻止なんかも含めて、ある意味とても救いのある回だったのかもしれません。#波よ聞いてくれ
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2020年5月4日
宇宙人が地球人女性の献血基準とか採血マシンが亀の影響とか、虚実どっちからも離れきらない距離感がいいですね。ぶっ飛びすぎても現実的過ぎても腰が引けてしまうので、そうならないバランス。
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2020年5月4日
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ミナレの踏み出した一歩がどこへ向かうのか、次回も愉快そうです。#波よ聞いてくれ
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2020年5月4日