「コンクリート・レボルティオ」3話。今回は爾朗とはまた別の形で正義を追い求める男・人間の記憶と人格を移植されたロボットである柴来人が登場する。しかし、追い求めるものにたどり着けるとは限らない。
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3話の序盤は刑事である柴の視点で描かれ、超人課は爆破事件を隠匿する悪の組織のようですらある。秋田課長は彼に超人課入りを勧めまた共に事件解決を図る点は同じだが、両者が相容れることはない。
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なぜ相容れないか? 爾朗(超人課)は超人を守ることが正義と信じ、対して柴(刑事)は人間であることが正義と信じている。そこには2つの等しい正義がぶつかりあっている――ように見える。#コンレボ
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しかし輝子は3話でこう述べている。「正義って、そんなにいっぱいあるものなんですか?」……ならば、並び立って描かれる爾朗も柴も共に正義ではない。
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実際、2人は今回多くの間違いをしている。爆破(と報道されていた)事件を起こした人造人間乙號・興梠美枝子は対になる人造人間丁號・半田馨を探していただけだったが、爾朗は勝手に悪の組織との戦いを空想していた。また柴は2人が揃えば爆弾になると勝手に勘違いしていた。#コンレボ
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「人間は教わった正義を勝手に解釈して間違えることもある」……爾朗も柴も、親から教わったもの(正義)に正確に従うことはできない。爾朗の行動が必ずしも孫竹の意向に沿わないように。ロボットの体に人格と記憶を移植されながら、柴が自分を人間(刑事)だと認識し続けるように。#コンレボ
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間違えるのは実は乙號・美枝子も同様だ。親からは丁號・馨を求めるよう教わったが、基本設計の同じ柴や同じ部品を使ったロボットにも惹かれてしまう。人造「人間」もまた間違える。
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しかしそうした間違いの数々は、この物語の正義の不在を語るものではない。美枝子の思いは愛ではなく設計されただけと言われた輝子は反発し、こうも言っている。#コンレボ
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「人間だってそうでしょう?誰かを愛し合うように設計された、だから人を愛さずにいられない。違いますか?わたしはそれは正義だと思います」
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人間も人造人間も誰かを愛するよう設計されたのは同じで、そこには輝子が言う「正義」が……「たった1つの正しいこと」がある。たくさんあるように見える正義も愛も貫く、たった1つのものが。柴が巨大なエクウスを退けられるのも美枝子への愛、正義あればこそだ。#コンレボ
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そして同時に、人間は間違うものである。人造「人間」美枝子にとって柴に感じた愛情は「間違い」でなければならず、 丁號・馨への思いという「たった1つの正しいこと」を守るためにはそれを否定しなければならない。人間を辞めなければならない。#コンレボ
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だから美枝子は柴を振り切って浄水地に投身したのだ。再び発見された彼女が人間を装う皮膚を失っていたのは、彼女が間違いからもっとも遠い場所へと潜った証拠なのである。
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目覚めた乙號と丁號・馨の合体によって生まれるのは人造「合体」メガッシン……人造「人間」ではない。機械だ。教わった正義の概念に正確に従う機械だ。
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その純粋な正義の前には、爾朗も来人ももう正義ではない。「超人課」や「刑事」といった拠り所が失われた自分達はもう正義ではないと感じながらも、しかし2人はぶつからずにおられない。#コンレボ
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その宿命もまた、あるいは彼らが所属も主義も超えて共有する「たった1つの正しいこと」なのかもしれない。だからこの3話は戦いの決着を描くことなく、激突の瞬間をもって終わるのである。
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というわけでコンレボの3話レビューでした。あああ、こうやって見返すと悲恋ものとして実に辛い。別の人間にも確かに惹かれてしまって、しかし最愛の人への愛を貫くために事実上の自死を選ぶ美枝子の高潔さ。柴来人、惚れた相手があまりに格上過ぎた。#コンレボ
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放送当時もこの3話は衝撃的で、僕の中の本作の評価を揺るぎないものにしてくれたのを覚えています。初めて話数単位10選に参加したのがこの2015年でしたが、3話は絶対的な選出対象だったなあ。https://t.co/fLbzW7mW15#コンレボ
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あと絵樟さん( @EX5551)の旧ブログ記事やコバヤシさん(@lastbreath0902)の記事などにも大いに刺激を受けました。確かコバヤシさんの感想を初めて読んだのがこの記事ではなかったかな……https://t.co/9HxYAxQtfchttps://t.co/IKkGBoNu4Y#コンレボ
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僕にとってベストエピソードとも言える回ですが、こうして久しぶりに見てもやはり素晴らしいお話だと思います。うん、良いものを見た良いものを得た。#コンレボ
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さて、次回は前後編。平尾リョウさんがデザインした飛田展男キャラも登場する回となります。当時は自分の力不足を特に感じた話だったので、何が見えてくるのかとても楽しみです。
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