「波よ聞いてくれ」8話。ミナレの唐突な尼僧願望という虚は瑞穂の真心の説得を生み、そしてそこからは性転換して彼女と添い遂げようという虚が生まれる。虚は実の親であり、実は虚の親である。
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2020年5月23日
©沙村広明・講談社/藻岩山ラジオ編成局#波よ聞いてくれ pic.twitter.com/9GyHSFgAyh
虚実が時間と共に入れ替わることが描かれた4話と異なるのは、今回は虚実のいずれが生まれようがその元となったものは消えないことであろう。子が生まれれば親が死ぬわけでないのだから。#波よ聞いてくれ
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2020年5月23日
ゆえにミナレは企画(虚)で父「親」に親子喧嘩を吹っかけに行き、虚実定かならぬ名前の由来のぶっちゃけ話にブチ切れる。「あったりまえだろ!だから無かったことにしろとでも!?」……酔いどれ親父の言葉とは言え、聞き捨てならない話はある。#波よ聞いてくれ
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2020年5月23日
そういう虚実の親子関係は、遂に登場したマキエの兄・亨からも見え隠れする。妹のこととなると時折我を忘れてしまう……意識の虚が生まれるのが彼だが、それはその間に起こった実を無に帰してくれるわけではない。#波よ聞いてくれ
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2020年5月23日
そして彼をそんな風にしてしまったのは、自分が自分の希望を口にしなかったからでもあるとマキエは語る。自分で自分の人生を切り開く力が無いという「虚」は、無力な妹を守ろうと過保護過ぎる兄という「実」を生んでしまった。#波よ聞いてくれ
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2020年5月23日
ボイジャーで中原と共に働く日々は本当に楽しい。しかし事故を口実にしたそれはあくまで「虚」の域を出られず兄への説得力を持たない。なれどその虚を親にすればこそ、マキエはやってみたいこと(実)を考えつくことができた。#波よ聞いてくれ
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2020年5月23日
挟まれる回想、麻藤の思い出の人であるシセル光明は彼にアイヌ語のジョークを見ながら笑いの理想を語る。「笑われる(ミナ・レ)」……果たしてミナレ父親もそんなことを考えたのかは分からない。少なくとも示し合わせたわけではないだろう。
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2020年5月23日
©沙村広明・講談社/藻岩山ラジオ編成局#波よ聞いてくれ pic.twitter.com/djyIRBiaER
マキエのボイジャー勤務同様、それは偶然という虚だったのかもしれない。それでも、その一致が麻藤とミナレの「親子」的ですらある縁という実を生んだことも変わらないのである。#波よ聞いてくれ
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2020年5月23日
もちろん、そうした繋がりは良きものや嬉しいことばかりを生むわけではない。久連木との別れ、ミナレに再び連絡をとってくる元カレの光雄。それらに対して「消えないもの」とはなんだろう。#波よ聞いてくれ
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2020年5月23日
というわけで波よ聞いてくれの8話レビューでした。お兄さんもっと独善の塊みたいなイメージでしたが、自分で良くないと思える余地はあったのね。だから性質悪いんだろうけど。
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2020年5月23日
©沙村広明・講談社/藻岩山ラジオ編成局#波よ聞いてくれ pic.twitter.com/rb9cDmOcPJ
ミナレだけに留まらないドラマもいよいよ芽が育ってきて、それらが作品テーマとどう連関していくのか。後半戦が楽しみになってきました。#波よ聞いてくれ
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2020年5月23日