「波よ聞いてくれ」9話。ラジオで虚構を生業としたミナレに入る、女たらしの嘘つき元カレ・光雄からの連絡。これはデートなどではない、嘘つきの異種格闘技戦である。
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とはいえ、この異種格闘技戦の共通ルールはミナレにはなはだ不利だ。仮初でもデートである以上それは光雄のフィールド。猟銃や録音といった武器に頼りたくなるのも無理はないが、それは反則で認められない。#波よ聞いてくれ
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対する光雄の「虚」には「実」が巧みに混ぜ込まれている。これまで無かった金勘定の誠実さ、半分とは言え返済する借金、ミナレのラジオで命を拾った逸話……隙のある行動すらチャーミングで、接する者を容易く丸め込む。#波よ聞いてくれ
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これまでも描かれたように、本作では虚実いずれであるかよりもそれが場にフィットするかどうかが重要だ。だからミナレが言葉の虚実を明らかにしようとしてもけして有効打にはならない。嘘であること自体は問題にならない。#波よ聞いてくれ
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案の定、勝負は光雄の優勢で進んでいく。ロープウェイもその後の遊び歩きも光雄の得意な「場」への誘いであり、ミナレはまんまと彼の部屋という懐まで抱き込まれてしまう。
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ピンチの彼女を救ったのは、ゴミ箱に捨てられていたフリーペーパーであった。光雄が気にも留めなかった嘘の成れの果て。自分と同じく捨てられた女の真実。#波よ聞いてくれ
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ミナレは心底心配する女を装って光雄に問う。そこで見えるのは彼が自分の「虚」をどう使っているかという「実」。虚実いずれでもろくでもない、女の敵の本性。
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ミナレと光雄、2人の嘘はラジオと女たらしというフィールドだけが違うわけではないのだ。自分の心をすり下ろして提供する嘘と、ニコニコしながら他人を陥れる嘘。それこそが2人の嘘の「異種」性の本質。今回明らかにすべき「実」。#波よ聞いてくれ
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だからこそ、それを掴んだミナレは勝利することができる。決まり手はヘッドシザース・ホイップ。寝技で落とされる5秒前からの見事な「逆転」劇。
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光雄の嘘をきっかけにラジオ業界に入り、ミナレは嘘を使いこなすようになった。しかしそれは自分を陥れた相手と同質になることを意味しない。きっちり手を切ることで、彼女の嘘は彼女なりに新たな一歩を進むだろう。#波よ聞いてくれ
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というわけで波よ聞いてくれの9話レビューでした。生々しい絆され具合からの爽快感満点のプロレス的決まり手! 現実を超える虚構を生み出すこの回自体がミナレの番組的。これが「波よ聞いてくれ」だッ! やー、楽しい回でした。#波よ聞いてくれ
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なお、決まり手は調べてこれかなーと「ヘッドシザース・ホイップ」としましたが、間違ってたらごめんなさい。お手柔らかにご教授ください。#波よ聞いてくれ
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