「コンクリート・レボルティオ」18話。妻を亡くした若村一勇は、娘である夕子の子供らしい子供だけの感覚と上手く折り合えずにいる。子供には独善手前の、その子だけの「正しさ」があって、しばしばそれは世間と折り合わない。
— 闇鍋はにわ (@livewire891) July 2, 2020
©BONES・會川 昇/コンクリートレボルティオ製作委員会#コンレボ pic.twitter.com/tHnsPmIBYq
だが、世間と折り合わぬならそれは正義ではないのだろうか。奇しくも、時を同じくして弓彦はこう言っている。「正義や悪は、そんなに簡単に変わっていいものじゃない」と。#コンレボ
— 闇鍋はにわ (@livewire891) July 2, 2020
誰かに保証される正しさは、見ようによっては誰かによりかかった正しさである。誰かによりかからない正しさは、己の中にこそある正しさはむしろ他者の訴える正しさと衝突するものだ。#コンレボ
— 闇鍋はにわ (@livewire891) July 2, 2020
例えば輝子は、兵馬が唱えるような超人の保護を理念としているわけではない。彼女はどんな形でもただ爾朗と会いたいだけ。けして褒められたものではないその動機には、恋心という誰にもよりかからない彼女だけの正しさがある。#コンレボ
— 闇鍋はにわ (@livewire891) July 2, 2020
そして己の中にある正しさを貫くなら、それは結果として「道」とでも呼ぶべきものに叶う。「魔女だから、そもそも正しいことしたら変でしょ」……それは「正しくないことをしてでも」ではなく「正しくないことをするからこそ」証明されるものだ。#コンレボ
— 闇鍋はにわ (@livewire891) July 2, 2020
だから爾朗の信じる正しさは今回、他者から保証されることがない。自分の過去を償いたいが故に超人囚を脱走させる(正しくないことをする)柴を庇う爾朗の行動は、アースちゃんにもジュダスにも肯定されない。#コンレボ
— 闇鍋はにわ (@livewire891) July 2, 2020
超人の定義は揺らいでいる。肉体だけなら改造手術や病気でだって超人は生まれるし、世間的にはもはや超人は正義の存在とみなされていない。超人を超えた超人と呼べる存在すらいる。爾朗の守りたい「超人」とは何か? この疑問において爾朗は、誰にもよりかかれない。#コンレボ
— 闇鍋はにわ (@livewire891) July 2, 2020
爾朗が出会うニンゲンマン、若村一有などは世間一般の言う超人の定義からはもっとも遠い存在だろう。やもめで、病気で超人になっただけで、世界を守るなんて大それた動機など持ってはいない。超人課ですら、彼を保護対象とは考えない。#コンレボ
— 闇鍋はにわ (@livewire891) July 2, 2020
新宿擾乱の超人を巡る怒りすら共有しない彼に、しかし爾朗はシンパシーを抱く。自分は本物の超人ではないけれど、しかし自分を超人だと思ってくれる1人のために同じようにあろうとするその姿に、思わず自分のことも話してしまう。
— 闇鍋はにわ (@livewire891) July 2, 2020
©BONES・會川 昇/コンクリートレボルティオ製作委員会#コンレボ pic.twitter.com/x2B3AwDAk4
誰にもよりかからぬ正しさは、誰からも否定され得る。爾朗の超人課脱退をかつての仲間は誰も認めないし、沢山の人に被害を出すと知りながらも自分の超人病を治さぬためにセイタカアワダチソウを焼かせない若村の身勝手は、誰にも正義とは思われない。#コンレボ
— 闇鍋はにわ (@livewire891) July 2, 2020
それでも。世界中から否定されても変えぬ「たった1人の正しさ」は、その人の背骨を貫く「たった1つの正しいこと」だ。子供が大人になり社会に適合する中で失ってしまう正しさだ。#コンレボ
— 闇鍋はにわ (@livewire891) July 2, 2020
爾朗はだから、「子供のために戦うのが超人だから」、若村を守ろうとする。それが自分の中の「たった1つの正しいこと」を守ることだから。自分の中の子供のための戦いだから。
— 闇鍋はにわ (@livewire891) July 2, 2020
©BONES・會川 昇/コンクリートレボルティオ製作委員会#コンレボ pic.twitter.com/hJXYQLZ0e6
己の中の、己の中だけの「たった1つの正しいこと」を貫い時にこそ、他者との道は交わる。汚いと言われても勘違いでも、夕子が蛹に声をかけ続けたためにカムペが成長できて事態を収集してくれたように。
— 闇鍋はにわ (@livewire891) July 2, 2020
©BONES・會川 昇/コンクリートレボルティオ製作委員会#コンレボ pic.twitter.com/3no6ID4v20
その交わりは一瞬で、カムペはすぐに去るし病の癒えた若村はもうニンゲンマンになることはない。けれど肉体が超人でなくても、彼が娘への愛情を貫くならそれは既に超人なのである。
— 闇鍋はにわ (@livewire891) July 2, 2020
©BONES・會川 昇/コンクリートレボルティオ製作委員会#コンレボ pic.twitter.com/6rUc6ijqnE
というわけでコンレボの18話レビューでした。意見を変える時に大切なことを教えてくれる回だったよな、と思います。自分の中の「たった1つの正しいこと」を守るなら変化は変節ではないし、逆なら不変ですら変節になる。#コンレボ
— 闇鍋はにわ (@livewire891) July 2, 2020
自分の中のそれが何なのかはずっと探求すべきだし、自分がそこから外れていないかは常に見直さなければならない。その苦悩を描き続けている作品なのだと改めて感じました。#コンレボ
— 闇鍋はにわ (@livewire891) July 2, 2020
それを描くためのアースちゃんの扱い方が上手いというか辛辣と言うか。アースちゃんに正しくないと言われて、それでもなお自分の中の「たった1つの正しいこと」を貫くのは勇気がいる……#コンレボ
— 闇鍋はにわ (@livewire891) July 2, 2020
さて、次回は大空直美さんゲストの19話「推参なり鐵假面」。これもまた時の流れが大きな意味を持つ回ですが、ラストの台詞は今聞くとどういう受け止め方ができるかな。
— 闇鍋はにわ (@livewire891) July 2, 2020
©BONES・會川 昇/コンクリートレボルティオ製作委員会#コンレボ pic.twitter.com/lTp6seFFEK