変わる「ダイヤさん」――「ラブライブ!サンシャイン!!」2期4話レビュー&感想

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©2017 プロジェクトラブライブ!サンシャイン!!
ですわ口調の生徒会長、黒澤ダイヤが主役となる「ラブライブ!サンシャイン!!」2期4話。今回のアバンでは、いつの間にかどっしりとした落ち着きを身に着けた千歌や、画面外でちゃん付けするまでに打ち解けていた果南・鞠莉と1,2年生といった変化が描かれている。
千歌を初め皆が変化しているなら、変わらず残されているのはそれに驚くダイヤだけ。だから最後に千歌が持ちかける「ダイヤさんも」のハイタッチは、次はダイヤが変化する番だというバトンタッチだ。
 
 

 ラブライブ!サンシャイン!! 2期 4話「ダイヤさんと呼ばないで」

  

そのやり方、ブッブーですわ!

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バトンを渡されたダイヤは自分も果南や鞠莉のようにちゃん付けで呼ばれるように変わりたいと願うが、それはことごとく上手くいかない。笑顔で接しようとしてもつい注意になってしまったり、むしろ怒っていると思われてしまったり。ダイヤが落胆するのも無理はないがしかし、他の面々と比較すれば失敗の理由は明らかだ。
例えば千歌の落ち着きはこれまでの能天気と区別がつかないのに身についていたものだし、彼女は梨子や曜も知らぬ間にSaint Snowの聖良と仲良くなっていた。また、果南と鞠莉がいつから下級生にちゃん付けされるようになったかダイヤは知らない。先に描かれた変化は全て知らぬ間に起きたもの、つまり「見えないところで起きた変化」だ。ならば「目に見えて」普段と態度を変えたダイヤのやり方はスタート地点で間違っていて、千歌達に続く変化などは望むべくもない。ダイヤ自身の口癖を借りれば「ブッブーですわ!」なのである。
 
 

変えなくていいものがあるから変われる

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©2017 プロジェクトラブライブ!サンシャイン!!
しかしそもそも、ダイヤが呼ばれ方を変えたかったのは「ちゃん」そのものへのこだわりが理由ではない。「真面目でちゃんとしてて、頭が良くてお嬢様で、頼りがいはあるけどどこか雲の上の存在」……果南と鞠莉以外の同級生にとって黒澤ダイヤとはそういう存在であり、そこから変わりたかったからだ。「ダイヤさん」の呼び方は自分と他者を隔てる距離感の象徴であり、優秀なダイヤは順応しつつもそうでない自分に憧れてきた。
ならば彼女の求める変化とは呼び方そのものよりも、むしろその意味づけにこそある。だからこそ距離感の象徴「ダイヤさん」と繋がる地金がどうしても出てしまうことにダイヤはため息をつくし、千歌はそれをこそほぐしてみせる。彼女が投げかけた言葉は、ダイヤが変えたい「ダイヤさん」をむしろ肯定するものだった。
 
 
「わたし、ダイヤさんはダイヤさんでいてほしいと思います。確かに、果南ちゃんや鞠莉ちゃんと違ってふざけたり冗談言ったりできないなって思うこともあるけど……」
「でもダイヤさんはいざとなった時頼りになって、私達がだらけている時は叱ってくれる。ちゃんとしてるんです」
「だからみんな安心できるし、そんなダイヤさんが大好きです。だからこれからもずっと、ダイヤさんでいてください!」
 

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©2017 プロジェクトラブライブ!サンシャイン!!
距離があるからダイヤさんと呼ぶんじゃない。あなたが変えたいと思っている地金をこそ私達は大好きで、だからダイヤさんと呼ぶのだと千歌は言う。この時「ダイヤさん」は言葉こそそのままなのに、距離感の象徴ではなく信頼と親愛の証になっている。「変化」している。
それこそは冒頭で描かれた「見えないところで起きた変化」であり、だからこそ目に見える変化となって現れる。ダイヤは「ダイヤさん」のまま――地金を失わないまま、新しい自分である「ダイヤちゃん」にも変わることができるのだ。
 
 

感想

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©2017 プロジェクトラブライブ!サンシャイン!!
というわけでサンシャイン2期4話のレビューでした。ダイヤさん百面相のにぎやかな回。フリマで妄想に耽ってる時の表情、絶対ヨハネの羽の影響出てる……自分を色々後回しにしてきた彼女がこんな風に悩めること自体、とても嬉しい変化だなと思います。姉や生徒会長としての慈母のような一面もほとんど神々しいくらいですが、色々な表情が見られるのはやっぱり素敵だ。
前回の重苦しさからの解放感もある、気持ちのいいお話でした。