第5世界での戦いの決着、そして次なる世界が描かれる「魔神英雄伝ワタル 七魂の龍神丸」6話。「力こそ全て」は必ず暴走して「力だけが全て」になるというのが前回の話だったが、ならば今回の答えは当然、「暴走する力にどう対抗するか」となる。
魔神英雄伝ワタル 七魂の龍神丸 6話 「輝け! 聖龍の力!」
暴走する無限の再生力
大会で負けた魔神の力を吸収して蘇ったゴーストンは最強の魔神と称されるが、その所以は無限の再生力にある。確かに元に戻すだけの力なら、周辺被害を考えなければならないミサイルのような加減を必要としない。格別素早いのでも火力があるのでもないゴーストンがただ再生力だけをもって脅威となるのは、すなわち暴走した力がどういうものかを証明しているのである。
制御は暴走に勝る、しかしならば……
ならば暴走の対抗手段は当然、制御にこそある。バラバラに戦ってはなす術もなかったワタル達がゴーストンの再生能力を止められるのは、足止めや救出、急所狙いをそれぞれ役割を定めて担う作戦――制御あってのもの。「1人では困難なことがあっても仲間の力を束ね、勇気と共に立ち向かう。それこそ救世主の心」という龍神丸の言葉は、制御した力が暴走する力を上回れるのをよく示した言葉と言えるだろう。
かくて第5の世界を救ったワタルだが、制御の有無によって力の性質が変わるのならば、逆に言えば制御次第で良き力が刃を鈍らせられる恐れもまたある。まるで遊園地のような次の世界は、ワタル達の力を制御して骨抜きにしてしまうのだろうか……?
感想
というわけでワタル七魂の6話レビューでした。海火子が妙にイズー姫と絡むなと思ったら恋心があったとは。それを口にせずオリスカンとの結婚を祝福するのはまさしく力の制御ですね。一方、心が荒んでぞんざいに茶を出す臣下もそれを飲んで「ぬるい」とつぶやく聖龍妃もなんだか次回予告に通じる部分がある。さてさて、次回は第5の世界とずいぶん違った話が見られそうです。