好きは欠落の母――「おちこぼれフルーツタルト」6話レビュー&感想

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©浜弓場 双・芳文社/おちこぼれフルーツタルト製作委員会
へもとチコが同じクラスの友人だった縁からクリームあんみつのライブ見学が実現する「おちこぼれフルーツタルト」6話だが、へもは友達のよしみで頼むのではなく、姉のロコを溺愛するチコの好みに乗じて見学を実現させる。姉の話を出されたチコは思わずくわえていたサンドイッチを食べかけで落としてしまうが、その欠けたサンドイッチこそは今回のテーマを象徴している。
 
 

 おちこぼれフルーツタルト 第6話「へんたいあらわる!」

 

1.好きとは何かを欠落させること

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©浜弓場 双・芳文社/おちこぼれフルーツタルト製作委員会
人は好きなものに対しては弱くなるものだ。穂歩に頼まれればドンペリでもおごってしまうリリは大げさにしても、衣乃達もチコ達も自分の好きには抗えない。穂歩の巨乳押しを叱ってもロコは穂歩のふかふかに顔を埋めずにはいられないし、フルーツタルトのライブ見学に反対していたぬあは自分がかつてロコの大ファンだったことを持ち出されれば逆らえない。
何かを好きになることはそれを自分のウィークポイントにすることで、つまり食べかけサンドイッチのように自分の何かを欠落させることなのだ。衣乃達が自分の好きなものに関してはちょっとだけ普通でいられなくなるのは、彼女達が欠落を的確に突かれた証拠に他ならない。
 
 

2.欠落を裏返せ

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©浜弓場 双・芳文社/おちこぼれフルーツタルト製作委員会
好きは欠落の母であり、何かを好きになればウィークポイントが生まれる。しかし欠落とは凸凹であり、見ようによってはそれはむしろ尖った部分だ。ロコのふかふか好きは穂歩にはいいように利用されたが開き直ればチコへの反撃になるし、衣乃の自分の脚へのコンプレックス(欠落)は結果的に黒タイツの脚線美という魅力を生んでいる。
この凸凹をもっとも上手く利用しているのはもちろんクリームあんみつで、彼女達は「大人なJCとロリなJKの神バランス」を1つのウリにしている。ならば今はクリームあんみつの足元にも及ばない衣乃達にだって、自分達の欠落を武器に変える方法は何かあるはずだ。レコーディングのことをすっかり忘れてしまっていた彼女達だが、果たして己の欠落を裏返す方法は見つけられるだろうか。
 
 

感想

というわけでおちフルの6話レビューでした。ロコの反応から穂歩はE以上確定と。しかしなんだか嬉しくないシチュエーションで衣乃ならずとも「なにこれ」と…… 「かわいい台詞」も酔った状態では無理のあるものになるかと思いきやのドンペリ! ラットプロが倒産してもリリ専用ヒモとして生活できそう。
次回予告もレコーディングにかかりきりというわけではなさそうですが、果たしてどんなお話になるのでしょう。