レコーディングが無事(?)終わり、次なるステージへ進む「おちこぼれフルーツタルト」。ネズミ荘を覆う黒いオーラ、魔術師のようにローブを着たロコ達と8話の始まりはいつもと異質……なように見えて、カレーという以前に触れられた話題に回帰する。
「所変われば品変わる」とは言うけれど、変わるばかりが人の世でもない。今回はいつもと違うようで結局変わらない、そんなお話だ。
おちこぼれフルーツタルト 第8話「ちょーすごいカレー!」
“ネズミ荘の誇り”、二年間継ぎ足し続けていたネズミ荘自慢の熟成カレーを、穂歩が完食してしまった!何としてもその失われたカレーを復活させたいロコ。新たにカレーを作るにあたり、フルーツタルトそれぞれの出身地の特産品を入れるのだと言う。しかし、全く使えそうなものが見つからない中、はゆが仕送りでもらっていたものの中にタラバガニとウニの缶詰が!早速、その缶詰を使った豪華シーフードカレーを口に運ぶ一同だったが……。
(公式サイトあらすじより)
1.アイドル活動じゃなくても変態
芸能界での活動のため上京してきた衣乃達は出身も様々だ。富山、石川、神奈川、岡山……自慢のスポットも違えば名産品も様々。しかしそれがなんでもカレーに使えるわけはなく、スイカやふぐの子、桃などは美味しくてもカレーに使いたい代物ではない。料理人が工夫を重ねて新メニューを生み出すのは例外として、カレーは誰が作ってもそう変わらない料理になるものだ(だから多くの人が安心して食べられるわけでもある)。
また今回のカレー作りはアイドル活動とは無縁のものだし、だからそれからは少し離れた衣乃達の様子が見られ――そうにもなるが、カメラを回す穂歩はそうした逸脱を許さない。
穂歩「ハァ?当たり前でしょ? なんのために食べるシーンで口元アップにしてると思うのよ」
穂歩が参考としてチコの食事VTRを見せたことで、場面は一気に普段と変わらない変態エロス会場へと戻ってしまう。彼女がゲスなのは別にアイドル活動の営業に限ったことではないから、無垢なはゆを騙してタラバガニやうにの缶詰を奪ったりもするのだ。
そしてこれまで衣乃達は多くの場合、その場では上手く行っているようでも蓋を開けてみれば失敗していることが珍しくなかった。ならば、所をアイドル活動からカレー作りに変えても結果という品は変わらない。タラバガニやうにを入れても、ネズミ荘カレーの成功率の低さは変わってくれていなかった。
2.フルーツタルトを離れても変態
アバン・前半とカレーづくしだった前半だが、後半の主体となるのは衣乃達ではなく人気アイドルユニット・クリームあんみつだ。それもロコへのシスコンぶりをたっぷり描いてきたチコではなく、メンバーの中町ぬあ・るあの方。後半は舞台もキャストも「変わっている」と言えるが、所変われど品変わらずが今回のルールなのだからやはり「変わらない」方へ物語は舵を切る。
るあ「はぁぁ~、うんうん、ほんとアホだよね。かわいいけど!」仁菜(この子さっきからSっ気しかない!)
ロコ「お前もいいのかよ、いじめられてばっかで。もしかしてドMなの?」ぬあ「! そ、そんなこと……全然違うし」ロコ・仁菜(なにその間)
シスコンのチコが不在ならクリームあんみつは常識人に留まるかと言えばそんなことはなかった。また、「ロリなJK」なのがウリのぬあはそもそも属性的にもロコとキャラが被っているし、張り合ったやりとりからすれば根もそう大きくは違わないのだろう。
人気アイドルでも同じ学校にいるのをロコ達が気付かなかったように、あるいは2人ともケージに入れて飼いたいなどとるあが発言し仁菜も少し同意してしまうように、所や人が変わってもその本質は案外変わらない。アイドル活動ではなくカレーを作ってもフルーツタルトは変わらずおちこぼれだし、衣乃達がいなくても本作は変わることなく変態ばかりなのだ。そして穂歩は変わらずゲス。
ならばED後に姿を現したキャットプロ社長の企みも、今までの話と大きく変わっているようでそう大きくは変わらないのだろう。果たしてそれは、どんな形で明るみに出るのだろうか。
感想
というわけでおちフルの8話レビューでした。2年以上カレー継ぎ足しっていかんでしょ食中毒起こすぞ……るあに引きずられるように仁菜も変態ぶりを露呈していくのがなんとも言えないところがありました。女子校とは言えリボン外して脱ぎだすとか完全に痴女の所業。あとタラバガニとかうにとか高級食材の食欲を刺激するのやめて。
まさかの堀江由衣演じる社長の登場で次回の引きとなりましたが、一体どんなへんた……もといキャラなんでしょうね。今後の期待も高まります。
なぜ90点なのか分からない。が、はゆが可愛いのはいつも変わらない。