外なる敵と内なる謎に立ち向かう「ゲッターロボ アーク」。4話、拓馬達は19年前の光景を勝手に見せられまたそこに干渉することはできない。今回は双方向ではない繋がりが、それでも爪痕を残していくお話だ。
ゲッターロボ アーク 第4話「美しい夜に」
寝付かれない夜、拓馬、カムイ、獏は、それぞれの自室から出て深夜の研究所を歩いていた。早乙女博士の〝ゲッター線〟研究の中に敵の転位システムを解明するヒントがあると直感する隼人。研究所を闊歩する亡霊たち。夜の闇に紛れ、敵の罠が静かに動き出す。何者かに誘われたかのように旧研究所区画へのゲートで合流する拓馬、獏、カムイ。拓馬たちがその先で見たモノは?! 一方、隼人は弁慶を残し〝真ゲッターロボ〟で飛び立ち、初めて蟲と遭遇して戦ったあの日のことを思い出していた。
(公式サイトあらすじより)
1.双方向は幻
隼人「そいつの実体はそこにはない」
4話のアバンは前回の続き、マクドナルドの立体映像に拓馬が突撃する場面から始まる。母の仇の出現に拓馬は怒り心頭だが立体映像に突っ込んでも効果があるわけはないし、マクドナルドはマクドナルドで拓馬の母を殺したことを気にした風ではない。二人はやりとりをしているようでその実、一方的に自分の考えを押し付けているに過ぎない。
拓馬「死んだ……?浮いてるじゃねえか、オバケ!?」
これは拓馬達がその後に遭遇した幽霊(?)にしても同様で、早乙女博士やタイールの姿をした彼らは一切の言葉を口にしない。迷子であるとか化けて出たとかはそれを見た拓馬達が勝手に思っているに過ぎず、後をついていったのもあくまで一方的な判断に過ぎない。
人と人が対話できるなどというのはあくまで"可能である"というだけの話であって、実行は極めて困難だ。タイールの空中浮遊や「迷子」という言葉だけでも解釈は一つではないし、アンドロメダ流国は自分達の行動は警告だと言うが竜馬や拓馬達にはさっぱり伝わっていない。
そして、一方向なのはけして人と人の関わりに限った話ではない。アンドロメダ流国が転移に開く亜空間は物理的には双方向で繋がっているが、逆利用することは現在の早乙女研究所の技術では難しい。双方向のはずが、一方向でしかない。
また拓馬達が見る過去においても、早乙女博士はゲッタードラゴンの増幅機にかければ真ゲッターのエネルギーを満たせると考えていたが、結果は希望した80%どころか50%がせいぜいであった。早乙女博士の見立てもこれまた一方的なものに過ぎなかったのだ。
双方向のようではあってもその実、一方的な期待や押し付けに過ぎない。人と人に限らず、世のたいていのことはそういうものなのだろう。
2.一方向の爪痕
対話は可能ではあってもまず実行できない。世のたいていのことは一方的な期待や押し付けに過ぎない。だが、それはやりとりが不可能であるとか無意味であるといったこともまた意味しない。
隼人「性能が上がってる。これで50%とは驚きだ!」
またゲッタードラゴンから増幅供給したエネルギーは真ゲッターロボを十分に満たすものではなかったが、それでも以前より向上した性能に竜馬達は驚きを隠せなかった。
人と人のやりとりや世の出来事はあくまで一方的なものに過ぎない。しかし一方的であっても、確かにそれは爪痕を残す。拓馬達が今回見るのはあくまで過去に起きた出来事で、どれほど迫真の状況に居合わせようとできることは何もない。彼らはあくまで「一方的に」過去を見せられるだけだ。しかし一方的であっても、彼らがここで何かを見ることはけして無駄ではない。その経験はきっと、拓馬達が進むこれからに何らかの示唆をもたらす。
ゲッター線が拓馬達にもたらす"導き"とはそういう、一方的なものなのだ。
感想
というわけでゲッターロボアークの4話レビューでした。カムイのところに現れた某人物のオバケ(?)怖い。警備の人達そりゃ怯えるわ。
なんだか原作と話の順番が入れ替わってるとかなんとかだそうですが、全体としてはどう影響していくのか。誰にも予断を許さぬアニメ版になりそうです。
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一方向の爪痕――「ゲッターロボ アーク」4話レビュー&感想https://t.co/2ldT8m2EKs
— 闇鍋はにわ (@livewire891) July 26, 2021
双方向の対話じゃなきゃいかんのか?というお話。#getter_a #でたなゲッターアーク#ゲッターロボアーク#ゲッター線を浴びよう #アニメとおどろう