「コンクリート・レボルティオ」12話。魔界の住人である輝子は風邪をひいても人間界の薬物では治療できない。提供された特別な薬草で回復を試みるのは、分かたれた2つのものを繋ぎ止める行為である。
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実存的疑問と評されたように、クロードの存在は超人課を2つに分かとうとしている。超人を保護する理想、ただ管理するだけの現実。クロードが過激に超人の保護を訴えれば、超人課の後者ばかりが浮かび上がる。#コンレボ
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それにもっとも敏感なのは輝子で、彼女が爾朗に見ていたものはクロードにこそあって分断は熱を持つほどの苦痛だ。だから輝子は、クロードの正体が爾朗ではないかと考えなければ両者を繋ぎ止められない。#コンレボ
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爾朗もまた、己が既に分かたれた存在であったことを知る。旧友の存在の記憶を失くしていたことは、それに関する自分が分断されていたことに等しいからだ。#コンレボ
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人は全く別のものに共通するものを――幻想を見出す。それが普遍の真実か紛い物かの境界はあやふやで、だから容易く間違える。ガルボイが仲間と信じたクロードが彼の情報をリークしていたように、エクウスの巨剣をクロードが操るように。
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クロードの金属変成能力は体や心をいじくり回され、時には他の超人と融合までさせられ獲得したもの。その存在は決定的に、異なるものを繋ぎ止めて生み出されたキメラである。異なるものを繋がるように変性する工場である。#コンレボ
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だからクロードは異なるものを繋いでいく。少年超人達を唆し、輝子に正体を誤認させ、更には電話で話す相手すら巧妙に自分と爾朗を入れ替え孫竹に口を割らせる。#コンレボ
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そこで爾朗が知ったのは、天弓ナイトと誘拐犯という全く別のものを養父・孫竹が繋いで利用したおぞましい事実であった。超人を守る組織を作るために、伝説的存在を犯罪者扱いして超人を管理しようという機運を高める悪魔の策。#コンレボ
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超人の保護と管理。全く別のものを繋いで作られたのが超人課であり、保護と管理の繋がりは偽りであるとクロードは指摘したのだ。偽りの繋がりを駆使するが故に他者の偽りの繋がりにも敏感な彼は、更にもう1つの偽りの繋がりを暴き立てる。#コンレボ
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それは秋田課長の正体が宇宙人であったこと。彼が悪事を認めまたそれをしてでも超人を守りたいと思ったという繋がりは、正体の繋がりが偽りであったことにかき消されてしまう。#コンレボ
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満ちていく偽りの繋がりに、爾朗はそれでも確かなものを見出だせるのか。怪剣の切っ先は、彼の喉元にも確かに突きつけられている。#コンレボ
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というわけでコンレボの12話レビューでした。こうして見ると、クロードの存在の大きさが概念的にも非常に大きいのが改めて感じられます。関智一さんボイスが変声機由来と知った当時はちょっとショックでしたが。#コンレボ
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あとSPRへの見方もまた少し変わったものがあって。魔法と科学を「私達は真実を明らかにするだけ」という一本の線で繋げているのが彼らなわけですね。そりゃ変成にあたって「不思議」が欠落もする。
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前半13話、後半11話と変則的な構成のため、本作は話数的にはこれで折り返し。1クール目の最終話、節目が楽しみです。#コンレボ
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