ま行-魔女の旅々

わたしとわたしを繋ぐ旅――「魔女の旅々」12話レビュー&感想

魔法使いの国や正直者の国など多くの国を訪れてきた「魔女の旅々」。最終回となる12話でイレイナが訪れたのは「あなたの願いを叶える国」――しかし「大金持ちになれますように」と念じながら門をくぐった彼女を待っていたのは金銀財宝ではなかった。大金持ち…

「魔女の旅々」9話と12話を繋げる考察

魔女イレイナが様々な国を渡り歩く姿を描き、TOKYO MX他で昨日ついにフィナーレを迎えた「魔女の旅々」。その最終回12話は、9話との関係性が大きくクローズアップされた興味深い展開になっていた。本ブログでは通常は1話単位のレビュー&感想を書いているが…

遡れど覆らず――「魔女の旅々」11話レビュー&感想

見知らぬものと己の因果の元をたどる「魔女の旅々」。11話冒頭、自由の町クノーツで再び魔法使いが狙われているとイレイナは知る。面倒を避けるため彼女は魔女であることを隠そうとするが、もちろんそれは魔法が使えなくなるわけではない。正体を隠すことは…

旅とは遡るもの――「魔女の旅々」10話レビュー&感想

イレイナが毎回様々な国を訪れる「魔女の旅々」だが、10話で旅をするのは彼女の師であるフラン、サヤの師であるシーラの2人だ。2人は連れ立って旅に出るにあたってそれが休暇であることを――日頃の立場から離れたものであることを強調する。2人にとっても旅は…

絶望の姉妹――「魔女の旅々」9話レビュー&感想

イレイナが世界の、そして人の心のあちこちを巡る旅を描いてきた「魔女の旅々」だが、9話では時間すら超えた旅が描かれる。時を遡る魔法――SFでも見るような話だが、その魔法が遡行させるのはけして時だけではない。私達が書物を読んで擬似的に過去へ遡行でき…

切り裂き魔は接続魔――「魔女の旅々」8話レビュー&感想

行く先々でイレイナが奇妙なものを見る「魔女の旅々」。イレイナは8話で訪れた国では「切り裂き魔」の話を耳にする。てっきり人殺しとばかり彼女は思っていたが、実は切り裂かれていたのは「女の命」であった。そう、切り裂かれるのは人の命とは限らないのだ…

百聞は一見にしかず――「魔女の旅々」7話レビュー&感想

仲が悪く壁で左右に別れた国と、共にぶどう酒を名産とする仲の悪い村の2つを舞台に前後編で描かれる「魔女の旅々」7話。仲の悪さという以外はほとんど関係ないようにも見える2つの話はしかし、やはり30分の1つの話だ。重要なのは、壁にしろぶどう酒にしろイ…

嘘つきの国――「魔女の旅々」6話レビュー&感想

「魔女の旅々」6話でイレイナが訪れるのは、国王の魔法の剣によって国民が嘘のつけなくなった「正直者の国」。しかし嘘がつけないことと正直者であることはイコールではないはずで、そこには論理の飛躍が――言ってしまえば嘘がある。正直者の国という国名はそ…

もてなしの魔法の原動力――「魔女の旅々」5話レビュー&感想

「魔女の旅々」5話は街中で売られる本を見たイレイナがかつて訪れた国を回想するところから始まるが、後になって分かるようにその本、「フランの冒険譚」の売られている国はほとんどフラン一色に染まっている。フランが何かしたわけではないのに、彼女の魔法…

強さが証明したもの――「魔女の旅々」4話レビュー&感想

「魔女の旅々」4話は王女と城の料理人の恋を、まるでおとぎ話のようにイレイナが語るところから始まる。身分を越えた関係を育むような恋とは魔法に等しく、つまり魔法には身分を始めとした垣根を越える力があるのだ。

ありふれた魔法――「魔女の旅々」3話レビュー&感想

「魔女の旅々」3話は、森を飛んでいたイレイナがその先の花畑に目を奪われる場面から始まる。狭く陰鬱な森の中を飛んでいたためにいっそう花畑の美しさに魅入られたわけだが、嫌なことや不運で気分が沈んでいた時にちょっとした優しさや美しさに救われた経験…

魔力なき魔法――「魔女の旅々」2話レビュー&感想

フランの下で魔女となって3年が過ぎ、すっかり旅慣れたイレイナが描かれる「魔女の旅々」2話。今回彼女が訪れる国は文字通り魔法の使える人間しか入れず、またその最高位である魔女は相当にチヤホヤされるはずなのだがイレイナはどこの宿からも宿泊を断られ…

魔女と旅人の共通項――「魔女の旅々」1話レビュー&感想

魔女イレイナが旅の中さまざまな場所を訪れる「魔女の旅々」。旅を望むきっかけとなった幼少期の描写から分かるのは、彼女が子供らしくとても純真であることだ。 魔女になれば旅に出ていいと言われて素直にその道を志し、来る日も来る日も必死に勉強を重ねる…