は行-富豪刑事 Balance:UNLIMITED

独占への反逆――「富豪刑事 Balance:UNLIMITED」11話レビュー&感想

無尽蔵のエネルギーにも世界を滅ぼす兵器にもなりうる物質、アドリウムの取り扱いが鍵となる「富豪刑事 Balance:UNLIMITED」11話。最初に述べた危険性ゆえにアドリウムの存在はこれまで秘密に――わずかな人間に「独占」されてきたわけだが、独占されてきたの…

「富豪刑事 Balance:UNLIMITED」10話レビュー~帰り道は別の道~

近未来的なガジェットを多数配し、原作とは大きく異る物語を描いてきた「富豪刑事 Balance:UNLIMITED」。11話ではコンテナ船での戦いを終え"ラスボス"との決戦に赴く春を星野は「ヒーローが戻ってきた」と喜ぶ。しかし「戻ってきた」とはもちろん例えであり…

「富豪刑事 Balance:UNLIMITED」9話レビュー〜刑事とヒーロー〜

「富豪刑事 Balance:UNLIMITED」10話冒頭、長介と武井を殺された春は現対本部へ戻ろうとするが、大助は拒絶しこの件に警察ではなく私人としてのみ関わると言う。違わず正義を執行できる私人とは、すなわちヒーローである。春は4話で刑事(公務員)とヒーロー…

「富豪刑事 Balance:UNLIMITED」8話レビュー~危機と好機の交わり~

長介と協力して19年前の事件の捜査が行われる「富豪刑事 Balance:UNLIMITED」8話では、大助は敵の関係者である武井の尋問を神戸邸で行おうとする。警察での取り調べは危険があるから都合のいい機能だけをピックアップしようというわけだが、危険とはそう簡単…

「富豪刑事 Balance:UNLIMITED」7話レビュー~衝突するから信用できる~

「富豪刑事 Balance:UNLIMITED」7話では19年前の神戸小百合殺人事件の捜査が描かれる。視聴者の視点はかつて長介の部下だった武井に重ねられ、しかしそれは視聴者と武井の同一化(交わり)を意味しない。(以下続く)©筒井康隆・新潮社/伊藤智彦・神戸財閥#…

「富豪刑事 Balance:UNLIMITED」6話レビュー~妨害は電波に限らず~

「富豪刑事 Balance:UNLIMITED」6話で査問を受ける現対本部の面々は入室前こそ一体感を強調するものの、いざ詰問されれば責任を春に押し付けてしまう(そして実際、春は反論できない)。人の繋がりは見た通り感じた通りではない。©筒井康隆・新潮社/伊藤智…

「富豪刑事 Balance:UNLIMITED」5話レビュー~隠しきれないもの~

「富豪刑事 Balance:UNLIMITED」現対本部の清水室長は好々爺然としているが、5話では意外と好色さや人脈を想像させる描写がある。舞台はエレベーター=密室だが、これに限らず密室とて全てを遮断できるわけではない。(以下続く)©筒井康隆・新潮社/伊藤智…

「富豪刑事 Balance:UNLIMITED」4話レビュー~神戸大助、金の使い方を忘れる~

「富豪刑事 Balance:UNLIMITED」の主人公・神戸大介は大金持ちだが、6話ではヒュスクのイヤリングやスマホを「忘れて」しまう。金があっても使えないならそれは使い方を「忘れる」のと同じだ。©筒井康隆・新潮社/伊藤智彦・神戸財閥#富豪刑事BUL#fugoukeiji…

「富豪刑事 Balance:UNLIMITED」3話レビュー~タイムカプセル立てこもり事件~

「富豪刑事 Balance:UNLIMITED」3話で発生するのは駅を出たはずの新幹線での立てこもり事件。出たはずの新幹線――つまりそれは過去の残像であり、今回の舞台は一種のタイムカプセルだ。(以下続く)©筒井康隆・新潮社/伊藤智彦・神戸財閥#富豪刑事BUL#fugouk…

「富豪刑事 Balance:UNLIMITED」2話レビュー~箱の内外~

「富豪刑事 Balance:UNLIMITED」2話。まほろが勧めるはおさかなグミには様々な魚の形のグミが入っている。入れ物……「箱」とは、本来は別のものをひとまとめに(同じに)する力を持っている。©筒井康隆・新潮社/伊藤智彦・神戸財閥#富豪刑事BUL pic.twitter.…

「富豪刑事 Balance:UNLIMITED」1話レビュー~交わらぬ者の交わり~

「富豪刑事 Balance:UNLIMITED」1話。冒頭では神戸大助と加藤春、2人の姿が描かれる。全く「交わりのない」その様子は、しかし不思議とナレに沿うように「交わって」いる。©筒井康隆・新潮社/伊藤智彦・神戸財閥#富豪刑事BUL pic.twitter.com/WALgswZYqB — …