「コンクリート・レボルティオ」23話で開かれる、超人が主役の博覧会。しかしその裏では胡摩を初めとした超人――超人とされない者達――が捕えられている。それは博覧会の華やかな「幻想」の終わりだ。(以下続く)
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幻想の終わりとは力の終わり、強さの終わりでもある。素顔を晒し目的を晒し手の内を晒したマスターウルティマは、笑美が画面上では描かれない謎の力――つまり幻想を行使することによって呆気なく死を迎える。#コンレボ
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爾朗もまた、己が原爆の破壊力が転化して生まれた存在であるという仮説や自分を守るために超人課が作られたことを知る。出生が明かされ彼に関する幻想が尽きた……ように見えて、しかしそうではない。#コンレボ
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爾朗の存在が、幻想の余地のない「現実」(私達の世界)と神化の世界を大きく枝分かれさせる原因となったのなら、この世界における「幻想」の中心は彼なのだ。幻想は彼が信じれば消えないし、信じなければ消えてしまう。#コンレボ
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故に孫竹は願うように言うのだ。「今も信じてるだろ、正しい超人はいると。信じろよ、信じ続けてくれよ。お前が信じてる限り、この世界は……」
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幻想の終わりゆく世界で、超人達は幻想の命脈を保つことに必死だ。超人とは人の生物的進化の形であると規定されればその存在には妖怪や魔物は含まれず、その定義からこぼれゆく幻想を笑美は守ろうとしている。#コンレボ
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輝子もまた、倫子の「およげ!たいやきくん」の謎(幻想)によって爾朗を追いかけようとする。しかし現実はそれより早く迫り、幻想を押しつぶそうとしてくる。幻想の象徴であるアースちゃんすら、自らの正体の現実に耐えられない。
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現実はあまりに圧倒的で、だからメガッシンも柴も呆気なく倒される。弓彦の金属操作能力を使えばロボット超人は瞬殺、メガッシンをベースにしたレッドジャガーは旧型より強い。身も蓋もない理屈は現実そのもの。#コンレボ
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柴はそんな中でも幻想の象徴たるアースちゃんを逃がそうとするが、現実はそれを許さない。柴の中身である鋼鉄探偵を容赦なくさらけ出させ、彼が自爆してまで列車からの轢殺を防ごうとしたアースちゃんも捕まえてしまう。
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幻想に逃げ道はない。だから爾朗は笑美に選挙したウルティマポリスの浮上を命じる。宣戦を布告する。それは幻想と現実の戦いであり、またこの戦いそのものが世界に幻想を打ち立てる行為でもある。#コンレボ
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爾朗という「戦うべき敵」が現れれば、何が正しくて何が間違っているのか分からなくなってしまったこの時代においても超人達はそれと対峙することができる。そこに「幻想」を見出すことができるからだ。#コンレボ
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しかしそれは本当に幻想なのだろうか。より正確には、孫竹が信じ続けてくれと願った幻想だろうか。現実と対置された幻想は既に、現実に屈した存在でしかないのではないか。#コンレボ
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輝子もまた、自分の考えていた爾朗の出奔の理由が「幻想」であったことを知る。夢から覚めた彼女が見るものは、見せるものは一体なんだろうか。#コンレボ
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というわけでコンレボ23話のレビューでした。今回の再視聴で収穫だったのは、メガッシンと柴の困惑するほどあっけない敗北が「現実の身も蓋も無さ」として解釈できたことでしょうか。容赦ない。#コンレボ
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鋼鉄探偵の現実の体がむき出しになった柴が爾朗に呼びかけるのがもうたまらなくてですね。柴にとっても爾朗が幻想の象徴というのが見えるというか。
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正義や自由や平和以外の理由で戦っちゃいけないのかと笑美が問うのも印象的で。あの三分類は超人を人間の進化と規定するのと同じもので、それだけにしてしまった瞬間に曖昧さが、幻想が排除されてしまう。それに対する反論。
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一方で里見の悪役ぶりもほれぼれするほどで。マスターウルティマが一応「謎」(=幻想)としていたウルティマポリスの動力の秘密を呆気なく暴露し、怪獣や妖怪を曖昧さの無い資源扱いしてしまう。オメーほんとふざけんなよ。
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さて、数年ぶりの神化の旅も次回でいよいよ最終回です。僕はまだ、歌えるか。
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