「コンクリート・レボルティオ」20話。ベトナムの戦場で超人特殊部隊JOEのジョナサンは絶叫する。だが彼が耐えられないのは戦場という場所以上に、その曖昧さにこそある。
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兵士と民間人の区別のつかない相手、人と化け物の区別のつかない相手。ジョナサンが相手にし消耗してきたのはそういう曖昧なもので、それでも彼が戦い続けられたのはその先にはっきりしたものがあると信じていたからだ。#コンレボ
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だが撤兵の先に待っていたのは、超人への人体改造を隠すために自分達を国には帰さないという軍の決定だった。曖昧な世界から戻れるはずが許されない、だからジョナサンは親に裏切られたような気になって脱走もする。
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今回の話で見えるのは、本作における米軍が「曖昧さ」を憎んでいることだ。超人は人の進化した存在と定義するから妖怪のような曖昧な超人が許せない。それに対する信仰に支配された世界も許せない。#コンレボ
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しかしそうした曖昧な存在を凌駕するには、自らも曖昧でより強大な存在にならねばならない。それが孫竹も呆れるほど強引な、超人を兵器と区別のつかぬような存在にしてしまうJOEの改造手術。そして誰彼問わず焼いたベトナムでの戦い。
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彼らは「曖昧さで曖昧さを焼く」……だがその時、曖昧さを焼くために作られた曖昧さであるジョナサン達JOEもまた故郷へ帰ることを許されない。「曖昧さの無い世界」を作るためなのだから当然と言えば当然の、あまりにも酷い仕打ち。#コンレボ
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だからジョナサンには行き場がない。曖昧さに苦痛を感じ、かといって自らも曖昧な存在だから彼が行くところ全て曖昧さと明瞭さの戦場となってしまう。「帰る」にはその曖昧さが失われるしか――亡骸となるしか方法がない。
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しかしカロルコ大佐は自らジョナサンを手にかけながらも父親のように彼を抱き、そして名誉という旗に全てを隠そうとする。それは彼が憎む曖昧さではないのか、幻想ではないのか。#コンレボ
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答えは出ない。だが爾朗という「曖昧さ」だけは超人課によって守られる。米軍が曖昧さで曖昧さを焼くなら、超人課は「曖昧さで曖昧さを守る」のだ。柴もまた、無駄骨だったと言いつつ爾朗と共に神社という曖昧なもののベンチに座る。
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それらに守られて爾朗は、未だ曖昧さの中にいる。答えの出せぬ中、幻想の中であがいている。
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というわけでコンレボの20話レビューでした。放送当時は特にどう読んでいいのか分からず、ただ悲しかったことを覚えています。今回も初見時どうしたものか?と悩みましたが、「曖昧さで曖昧さを焼く」というワードで大雑把な図式は見出だせたように思います。#コンレボ
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今回は神社を「曖昧な場所」として使うのが上手いよなと思います。ラスト以外でも輝子と会う時の爾朗は神社の中にいて、更にその後に存在と不存在や恋の敵味方を曖昧にしていた笑美と風郎太が出てくる、という……
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さて、次回は21話「鋼鉄の鬼」。予告の柴の格好良さだけで気分がアガってしまう……
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コンレボ21話追記。曖昧さを焼くための曖昧さだから、幻想の中に狂うしかない。そしてその最後も父や名誉の幻想という曖昧さの中でしか許されない、と。ジョナサン、考えれば考えるほど悲惨。#コンレボ
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*20話の誤り