「コンクリート・レボルティオ」19話。300年前に狭い日本を飛び出し、南極から氷漬けで発見された鐵假面剱士こと影胡摩。彼女にとって神化の時代とは、南極より更に遠くの世界である。
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その世界は正義と悪がはっきり分かれず、故に爾朗達は悩み苦しんでいるわけだが――しかしはっきり正義と悪が分かれないからこそ、爾朗と柴、超人課もはっきり敵味方に分かれない。彼らは悩むと同時に、恩恵もまた受けているのである。
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胡摩の戦った300年前はそれが許されなかった。例え改心しようと悪は悪とされねばならず、影胡摩とそのライバルとも言える竜神アサヒは惹かれ合いながらも互いの気持ちを認めることができなかった。
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封印の絵合わせパズルと共に解かれていくのは、アサヒの命を代償に封印された鬼神ゼスサタンではなく胡摩の心の内である。悪を敵を打ち倒すことしかできなかった己の愚かさへの怒りこそ、目覚めた彼女の内に封印されたもの。#コンレボ
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だから爾朗はそれを封印する(偶然ながら、アサヒと同じ箇所に傷を負う)。それもアサヒの時のように己の命を犠牲にしてではなく、敵味方のはっきりしない関係の力を使って。
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「竜神アサヒはここにいるんだろう」「悪の超人……でも正義の心に目覚めた……カッコいいじゃないか」……300年前は聞くことなど望むべくもなかった言葉。300年前は選べなかった選択肢。
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「カッコいい」という爾朗の言葉はとても子供っぽくて、しかしそれは当然のことだ。子供のために戦うのが超人で、子供じみた思いのために戦うのが超人で、それを守るのが爾朗だから。「超人」竜神アサヒはこうして守られた。#コンレボ
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しかし、はっきりしない正義はやはり悩み苦しみを生む。自分を利用した立花総理が、自分が命を懸けて守った弟の子孫であった事実。彼が悪党としても、それを殺せば全てが終わるわけではない現実。#コンレボ
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かつて彼女は、正義と悪がはっきり分かれる狭い世界を嫌って飛び出した。そしてたどり着いた神化の時代は正義と悪がはっきり分かれないが、それもまた氷漬けの夢の中で探した世界の果てではない。彼女は東へ西へ、旅を続けるのだ。
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というわけでコンレボの19話レビューでした。爾朗達主要キャラの関係が「恵まれている面もある」と思えるのがすごい回よねと思います。もちろん、それが苦しみあるものなのを前提にしないと成立しないのですが。#コンレボ
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レビューでは触れませんでしたが、「正義と悪がはっきりしない」の別側面として里見顧問の暗躍ぶりも素晴らしいもので。視聴者をスカっとさせちゃう役割まで担っているのがニクい。
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爾朗と柴がなんだかんだめっちゃ仲いいところも見ていてニヤニヤが止まりません。結局似た者同士。
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ゲストの影胡摩もマントの破れが犬っぽかったり着物にフリルが多数ついてたり絶妙なラインのキュートさがあります。監督からは尺的に削ることを進められた回だそうですが、ありがとうやってくれてありがとう。
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さて、次回「終わらない戦い」は虚淵玄さんのゲスト脚本回。放送当時どう受け止めたらいいのかとても悩んだ回ですが、今見るといかに。ブレイクスルーできるといいのだけど。
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