「ラブライブ!サンシャイン!!」4話。今回は花丸の自分語りから幕を開ける。いや、ダイアリーを開くところから始まるそれは「自分という本を読み上げている」と言ったほうが正確だろう。
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人とは1冊の本のようなもので、他者のそれ=物語を読むことで人は己を作っていく。人は必然として誰かの物語の上に立っていると言ってもいいし、またそれを全て自覚しているとは限らない。#lovelive_sunshine
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例えば鞠莉が千歌達を応援してくれる背景にどんな物語があるか今は知りようがないし、それによって得た部室には何に使われたかも不明な以前の使用者の痕跡が――物語が残されている。千歌達はその上に立っている。#lovelive_sunshine
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花丸の大事な友達、ルビィはそうした物語にとても敏感だ。他者の物語を尊重すればこそ、姉がスクールアイドルを嫌いになればその物語を無視できない。そしてその時、ルビィ自身の物語は無視されている。
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ルビィという「本」をよく読んでいる花丸は、だから一計を案じる。自分がスクールアイドルの体験入部を申し出れば、ルビィもそれを尊重して一緒に来ることができるだろうと。#lovelive_sunshine
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花丸はルビィが自身の物語を尊重するように訴え、またダイヤがルビィの物語を尊重できるようにフォローする。彼女は献身的にルビィの物語を尊重しているわけだが――しかしその時、花丸自身の物語には強引に蓋がされている。
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また、スクールアイドルをやりたいとルビィがダイヤに訴える場面は今回描かれない。それはそこでは未だ、ルビィは花丸の描いた物語の上にいるに過ぎないからだ。本当は未だ、彼女が自身の物語を尊重する場面ではないからだ。#lovelive_sunshine
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人は必然として他者の物語の上に存在する。だが他者の物語の上にただいるのと、その上を歩むことは同じではない。他者の物語の上に自分の物語を歩んでこそ、人は確かな己になれる。#lovelive_sunshine
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だから今回のハイライトは、ルビィの訴えは、物語を支配してきた花丸に対してこそ描かれる。かつてダイヤと描いた物語の上で、花丸の描いた物語の上で、ルビィは初めて自身の物語を訴える。「花丸と一緒にスクールアイドルがしたい」と。
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それがただワガママとしてではなく、花丸にこそ自身の物語を尊重してほしいと訴える点にルビィの優しさと思いやりがある。自分の胸に輝きを押し込めてしまう点でそっくりの少女達はここで、異なる道を歩み始めた。
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だから逆に言えば、花丸もただそれに頷くだけでは自身の道を歩めない。彼女が歩くには更に他の人の物語の土台が必要で、憧れの星空凛も自分は向いていないと思っていたことや千歌の言葉が彼女の道を作ってくれる。#lovelive_sunshine
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凛の思っていた「向いていない」は花丸のそれとは全く違う。千歌だってもちろん花丸とは違う。それでもその「物語」は花丸に勇気を与えてくれた。自分の足で、自身の物語を踏み出すきっかけを与えてくれたのだ。
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というわけでサンシャインの4話レビューでした。やー難しかった、通常なら金曜の晩に書き上げるはずがすっかり遅くなってしまいましたすみません。「人は本」と最初に考えましたが、それだけでは4話全体の描写を全然拾えなかったもので……#lovelive_sunshine
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仲良しだけど全然違う2人の少女が実はとてもよく似ていて、けれどやっぱり違う。そして、その違いの上で同じ道を歩める。花丸とルビィの関係性がとても素敵で、仲がいいことにも改めて納得できました。#lovelive_sunshine
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μ’sの物語は、もはや当人の預かり知らぬところですら「物語」として他者に影響している。そしてその中でも星空凛のかつての苦悩が強くピックアップされたのがとても嬉しい。り"ん"ち"ゃん"……(ウェデイングドレス姿にまた泣く)
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さて、次回は「イタい」で済まないヨハネのお話のようで。彼女がどんな風にAqoursの一員となるのか、楽しみです。
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