「コンクリート・レボルティオ」最終回となる24話は、決戦から時が経った神化53年では既に人々が超人を懐かしむようになったとの語りから始まる。それは超人達が「幻想」となったことを意味する。
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そうして見れば、超人課の面々も形こそ違えどみな幻想と化しているに等しい。時代から弾かれた兵馬も、別世界へ去った笑美達妖怪(とウル)も、子供にすら見えなくなったオバケも、神化53年では杖もなく変身せず魔法を使う輝子も。#コンレボ
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そして爾朗は、「超人を守る超人」の幻想を輝子に託そうとした。自らを最大の「怪獣」として倒させれば彼女の存在が超人を守ってくれる。それは半ばは上手くいき、この戦いの中で友情や矜持を取り戻した者もいる。#コンレボ
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しかし爾朗の目論見は2話で風郎太に「そのままでいてほしい」と身勝手な願いを託したのと何も変わらない。超人課の面々は自分自身が幻想となったのだから、爾朗も幻想を誰かに託すのでなく自らを幻想とせねばならない。#コンレボ
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爾朗がそうできないのは、自分が幻想に――"超人"に及びもつかない存在だと感じているからだ。たった1つの正しいことを求めても自分の心すらままならない。約束1つ守れない。そんな自分に超人の資格などない、と。
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しかし同じような生まれを持ちながら自らを幻想ではなく現実へと変えようとする里見の姿が、不確かな爾朗の思いに輪郭を与える。「たった1つの許せないもの」があるなら、それは「たった1つの正しいこと」を見つけるに等しい。
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*里見の力の使い方が(策謀や)老化停止や肉体強化というのも「現実」的で、幻想から程遠いのが彼のあり方を示しているように思う。#コンレボ
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超人を、正義を、理想を、何かを「嗤う」者こそが爾朗の対になる悪で、それをきっぱり否定することで爾朗は"超人"となる。そして超人課の面々が示すように、超人とは幻想になるもの。#コンレボ
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肉体の消失した爾朗が世界に遍在するのは、別にエネルギーの話ではない。彼と同じ言葉を口にする人形に、漫画に、特撮に、人々に爾朗は遍在する。紡ぎ出す者の心の中に、受け取る者の心の中に爾朗という超人=幻想は存在している。
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作品とはどんな形であれ(別の形で再開するのであれ)終わりを迎えるもので、その時その肉体とでも呼ぶべきものは消滅する。今はもう語られなくなった過去の数多の作品は、跡形も無いと言ってもいい。#コンレボ
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けれどそれは、その存在が消滅したわけではないだろう。作り出した人の心に、受け取った人の心に何かしらを残し、更に別の形になって受け継がれていく。幻想は虚構ではない。幻想だからこそ、存在し続けられるのだ。
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というわけで、以上がコンレボ最終回24話のレビューです。「アニメは放送単位ごとに1つのテーマがある。無用に思える描写も全てそこに結実する」というのが僕の信条ですが、それが成立する少し前に放送された本作の再視聴は自分の成長の確認でもありました。#コンレボ
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意気揚々と挑んではみたものの、これがまあボロボロ。テーマの探し方にたぶん手癖がついていて、第一層に過ぎないものを「これがテーマだ」と満足してしまっている恐れをまざまざと突きつけられるレビュー時間となりました。#コンレボ
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一知半解の最たるは1話レビューで、「フィルムの隙間を覗く物語」で満足してたらいかんのですよ。その隙間に超人課から反逆者に立場を変えた爾朗の中に、超人を守るという「たった1つの正しいもの」があることをこそ中心に据えなきゃ落第でしょう。https://t.co/lbFb0LqEGm#コンレボ
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同時にこの再視聴は、僕の中に爾朗がいることを再確認する時間でもありました。爾朗は「たった1つの正しいこと」を求めたわけですが、僕は自分のアニメレビューに「たった1つの正しいテーマ」を求めている。#コンレボ
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「クソアニメwww」って作品を嗤う人達が大っ嫌いで、それが批判ではなく敬意の欠落であるのが許せなくて。そうじゃないんだって言いたいから、少しでも多くの人に言いたいから、僕はネットの片隅でレビューを書き続けています。#コンレボ
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僕がアニメレビューに「たった1つの正しいテーマ」を求めるのも、作品に対してに限らず「嗤う」ことが嫌いなのも、きっと爾朗に教えてもらったり認めてもらったことなんじゃないか。そんなことを、この再視聴では感じました。#コンレボ
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僕はまだ歌える。これからも歌っていく。そう答えて、本作のレビューを終えたいと思います。原作の會川昇さん、そして監督の水島精二さんを始めとしたスタッフの皆様、ありがとうございました。#コンレボ pic.twitter.com/g5DOf4khAW
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追記:13話の爾朗の「正義」の「味方」になりたいという爾朗の言葉を回収する兵馬の「だから今の僕は人吉爾朗の味方なんだ」は何度見ても泣けちゃう。こんな名台詞ありか!
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