「波よ聞いてくれ」2話。ミナレの転職を止めたい中原はラジオを虚業という。「実」業と対になるからこそ「虚」業。前回は虚実のボーダーに触れたが、それを越えるのはミナレだけだろうか?
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2020年4月13日
©沙村広明・講談社/藻岩山ラジオ編成局#波よ聞いてくれ pic.twitter.com/jkdbXe0iIo
最初に挙げた虚業呼ばわりの中原だって、今年の3月に店に来たのに2年前の誓いなどと嘘をつく。ミナレは特別かもしれないが、大なり小なりみな虚実のボーダーを越える力は持っている。#波よ聞いてくれ
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象徴的なのが宝田店長のお玉殴りだ。人間業で越えられるとは思えぬ仕切りを飛び越えるとは虚実のボーダーを飛び越えることであり、ミナレのボーダー越えにツッコミまくる彼もまた同種の力を持っている。
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師匠の味を継ぐ建前、師匠を越えてもそれを隠す折り合い、師匠の本心を読むような言動、そしてそれを言い訳にした捨てるに捨てられないスープの処分……虚実のボーダーを行き来する宝田の言動は、それ自体もミナレによって虚実を行き来する。#波よ聞いてくれ
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そのあやふやさを逆に見るならば、嘘しか言わないような人間にも実が無いわけではない。ミナレを騙す気まんまんで拇印を押させた麻藤はただ遊び半分で彼女の音声をラジオに流したわけではなく、確かに彼女にラジオパーソナリティとしての才能を感じている。#波よ聞いてくれ
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ミナレの話を仕込みと疑う声が逆に上手さを証明するように、虚から実が見えることも実から虚が覗くこともある。虚だけの存在も実だけの存在もありはせず、全てはその波間で不安定に揺れている。#波よ聞いてくれ
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ならば、先日は騙され怒鳴り込んでスタジオにやってきたミナレが、今度は送迎されて乗り気でスタジオに足を踏み入れてもいい。勢いで押し切った鮮烈なデビューから打って変わって、事前に方針を打ち合わせほどほどのディスり芸な宣伝トークをしてもいい。#波よ聞いてくれ
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そして、カメラは写真に血を吹く謎の青年を写して終わる。その脳裏に浮かんだのは思い出かはたまた妄想か、そもそもこのどこから出たのか分からない出血自体本物なのか。間違いなく言えるのは彼もまたボーダーを越えていること。さて、その行く先は。#波よ聞いてくれ
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というわけで波よ聞いてくれの2話レビューでした。店長の実情があまりに楽しい。孫を思う心を利用するゲスな一方、師匠のカレーを捨てるほど酷薄にはなれない中途半端さ、これが人間味ってもの。#波よ聞いてくれ
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先に挙げた仕切り越えやミナレの伸縮身長なども、「虚実」がキーワードとして頭にあると表現の幅を最大限に使っていると感じられて楽しい。絵柄からするともっと狭くなりそうなものですが、広く使ってもおかしくなってないからすごいもの。#波よ聞いてくれ
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ラジオの内外に虚実が満ちているのが感じられる、視界広がる2話でした。来週も楽しみです。スープカレー食べたい、つけパンしたい。#波よ聞いてくれ
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