「波よ聞いてくれ」11話。人殺しにゾンビと別作品のような雰囲気で始まったラジオドラマだが、アバンで早々にいつものボケ&ツッコミの調子に戻る。「我に返る」とも言う。「虚構から現実に戻る」とも言う。
— 闇鍋はにわ (@livewire891) June 13, 2020
©沙村広明・講談社/藻岩山ラジオ編成局#波よ聞いてくれ pic.twitter.com/tjW79PSMVr
別にミナレのアドリブがそうさせているわけではない。リスナーがツッコまずにいられないユネスコ語りも甲本が感心する加工音も、私達にラジオドラマを劇中の現実のように没入させず引きずり戻している。#波よ聞いてくれ
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だがそれは描かれるものの力不足も意味しない。ただただひたすら生々しい話には、逆にどこか嘘くささが表れることがある。逆に言えば、嘘くささ満点の話が時に不意打ちのように真に迫ることも。#波よ聞いてくれ
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今回のラジオドラマで描かれたのはそういうものだ。全くの作り物の光雄の言葉に本性が宿り、あくまでドラマの上のものでしかないミナレのアドリブに現実への後悔と立ち向かう意志が覗く。それはどこまでいっても虚構だけれど。#波よ聞いてくれ
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虚構でも現実でもスッと全てが解決するようなことはなく、人の心は虚実の波間に漂うあやふやなものでしかない。けれど波間にあるものは波に触れるのだ。それが一瞬のような時であっても、触れるのだ。
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ミナレが番組で手応えを得ても、「ネオ」なんて付けられるほどの変化は起きてはいない。それでもギクシャクしていた中原やマキエとの関係は修復されるし、宣言の必要はあっても光雄との悪縁を振り切る気持ちは強くできる。#波よ聞いてくれ
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一瞬でも触れる波は、確かに変化をもたらす。笑顔で隠しても瑞穂が久連木の退職への葛藤を隠せないように。真面目な顔で言っても、麻藤のミナレに求めるものの剣呑さが消えるわけではないように。#波よ聞いてくれ
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虚実の波間に漂うものを電磁の波に乗せ、見る者聴く者に浴びせていく。次回、ミナレが最後に私達に見せてくれるのはどんな波であろうか。#波よ聞いてくれ
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というわけで波よ聞いてくれの11話レビューでした。スッキリなんかできるか!それでもちょっとずつは変わってるしちょっとずつは進むんだよ!という、跳躍ではなく歩行を描いた回という印象を受けました。#波よ聞いてくれ
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ミナレが自分で企画を考えて終わるのであれば、それもまたほんの小さな一歩で。パワフルに虚実をぶん回してきた本作がそういう終わり方をするのもまた良いものなのかもしれません。さてさて果たして。#波よ聞いてくれ
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