「波よ聞いてくれ」3話レビュー～ハマる虚実の凸凹～

「波よ聞いてくれ」3話。ミナレをクビにする宝田は「実際」のところ、彼女を使えない社員と思っていたわけではない。基準は虚実とは別のところにある。
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— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2020年4月20日

四方を盛り塩で囲み、念仏を唱え注いだ酒に鼻血を垂らして出勤する沖の儀式にも見られるように。重要なのは虚実以上に、それが当人と周囲に上手くハマるかどうか。
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ミナレがクビになったのは、彼女の得意な要素が宝田の求めるカレーとパンの夢空間にはハマらなかったからだ。例え実際に有能でも、適した場所にいなければそれは無用の長物どころか有害にすらなり得る。#波よ聞いてくれ
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逆に言えば、嘘でも自分にとってハマるものであれば人はそれを良しとしてしまう。中原はミナレにとって自分が都合のいい男でしかないこともそれを堂々という酷さを見抜きながらも、それがハマってしまう自分を自覚している。#波よ聞いてくれ
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ビアガーデンでビールと食べ物のどちらを重視するかのように、何が一番ハマるかという選択はいつも悩ましいし難しい。自宅に帰って来たつもりでも部屋を間違えれば公害レベルだし、部屋まで送ってくれた沖の行動も時と場合がハマれば暴漢と勘違いされてしまう。#波よ聞いてくれ
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支払額が所持金にハマってくれないミナレはもはやラジオ局の仕事にすがるしかなく、同時にそこで用意される厚遇に今ひとつ実感が湧かない。つまり自己評価と厚遇がハマらない。質問をするのは互いをヤスリがけして少しでもハマりやすくしたいからだ。#波よ聞いてくれ
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自分と似ている芸能人や時間帯の話はひとまず飲み込み、ミナレが転がり込むのはADの瑞穂の部屋。荷袋を縦にして、そこへハマり込めるようにしなければならないことくらいミナレも承知している。下品トークも酔ったフリ込みでなければやれない。
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けれど話してみればミナレの言動はびっくりするほど瑞穂に「ハマって」いる。燃費がいいとミナレは言うけれど、それは瑞穂の性質以上に、ミナレのトークがハマる人間が思ったよりも多い証明でもある。
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誰が聞くのかという時間帯のラジオ番組も、音量を絞れば安眠の助けになる。通路は狭くとも奥の部屋は広がっていて、そこには案外ハマるものがあったりする。
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ミナレが探すのはそういう、細い通路の先にあるかもしれない広がりだ。
「ラジオ局のADすら眠りにつく午前3時半。え～皆様いかがお過ごしでしょうか、鼓田ミナレです」……放送は始まらなくとも、彼女の「番組」はもう始まっているのである。#波よ聞いてくれ
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以上、波よ聞いてくれの3話レビューでした。瑞穂は多分ミナレのトークに毎晩「ハマる」わけで、前回の「毎晩めっちゃ抱くよ」の予告はある意味間違ってない。しかもハマるということは処女に仮託された純真さが維持されてるわけだから、うんちょっと駄目な意味でハマり過ぎではこれ。#波よ聞いてくれ
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