「LISTENERS リスナーズ」12話。ミュウのもとへ1人赴くエコヲを、他の者は見守るのみ。これは彼らと私たちを観客とした、他の誰でもないエコヲだけのステージ。
— 闇鍋はにわ (@livewire891) June 20, 2020
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そこで行われるのは、プレイヤーの力を結集しても倒せなかったような強敵を打ち倒すことではない。それは誰でもできることではない。エコヲがするのはただ思いを伝えること。誰にでもできること――誰にでも許されたこと。#listeners_rock
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エコヲは何者でもないただの人間である。記憶をなくしたミュウは何者でもなかった。「ただ存在するだけの存在」なのは誰もが同じであって、ミミナシが異常に見えるのはそれが可視化されているからに過ぎない。何者でもないのが、ミミナシの正体。#listeners_rock
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けれどそれは彼らの、人間の、私たちの空虚を意味しない。かつてロバートは、どんなに親しくとも人間は他者の自分の人生の一部としか認識できないと言った。ならばそれは、逆もまた然りではないか?#listeners_rock
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他者に認識された私はもはや私自身ではなく、他者の人生の一部である。他者を作り上げるのはそれに触れる無数の「私」であり、私たちは生死を越えて他者の中に存在し続けていく。#listeners_rock
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それは時に呪いともなる。ジミの妹や身代わり、世界の破壊者。それらの実際は、人々がミュウに己(の願い)を都合よく認識させていたに過ぎない。確かに私たちは他者を作り上げるが、他者に己を託して分身にしてはいけない。#listeners_rock
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エコヲはミュウに己を託さない。「何者でもない」自分を肯定してくれたのがミュウで、それが今のエコヲを作ってくれた。だから今度はエコヲが「何者でもない」ミュウを肯定する。ナチュラルに肯定する。#listeners_rock
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ミュウがエコヲを作り、だからエコヲがミュウを作る。私たちが己の人生の一部として認識する他者には、他者にその人税の一部として認識された己もまた含まれている。「僕だけのミュウ」には、「ミュウだけの僕」が含まれている。#listeners_rock
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1話でエコヲを救った時のように、「ジャック穴」の中のミュウは今度はエコヲに救われる。それが人と人の繋がり、インプットとアウトプットのサイクル。
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それはステージの上の出来事であって、エコヲもミュウも他のどの登場人物でもなければ私たち視聴者でもない。けれど誰もが何者でもないのなら、誰もが何者でもある。エコヲの物語もミュウの物語も、私たちは己の物語となることができる。#listeners_rock
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あなたがこの物語に少しでも何かを感じたなら、己の人生の一部として認識したなら、それはこの作品と「目が合った」ということだ。「13話」たるBパートは目が合った者達の未来であり、つまり私たちの未来の取り得る1つの姿。#listeners_rock
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ステージを終えたエコヲからはアウトプットジャックは消える。彼は固定された何者かになったのではない。けれど人は自分のステージに立つ時だけは何者にだってなれる。その時、誰にでもできることはその人だけにしかできないことになるのだ。#listeners_rock
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というわけでリスナーズ12話のレビューでした。やー悩んだ悩んだ。ロバートさんの言葉を逆転するのを思いつくまでさっぱり書ける気がしませんでした。#listeners_rock
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さて、3話のレビューで本作はゲストのステージ・セットを巡るようなものと解釈したわけですが、終わってみるとそこに作品への没入の難しさを感じていたようにも思います。https://t.co/2bkaDEo3fS#listeners_rock
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各ステージが高い独立性を持つ一方、それぞれの間が途切れて見えると言ったらいいのかな。暗転してステージセットの切り替えがあるわけでもないので、どこかワープしているような感覚があったというか。#listeners_rock
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各都市で繋がりがあるのは描かれていますが、それが「1つの世界」の中に収まっているのが腹落ちしなかったのです。ダイジェスト的という評も見かけますが、その理由は量の問題とはまた違うところにあるのかもしれません。#listeners_rock
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とは言え、音楽関係の知識がさっぱり無くとも外見等が異なっていても、エコヲが「私たち」と同じ存在であるのを感じられたのは本作を視聴して面白いところでした。遠くを近くに感じさせるのは、物語の持つ大きな力だと思います。#listeners_rock
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あとライドとリッチーの生存、というよりニルが救われたのが嬉しかったです。なぜ生きてるというよりなぜ死んだことになってたんだ。不自然に死亡の瞬間を描かなかったのが誠実というこのあー、ニルが幸せだから全てOK。
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そんなわけで、なかなか他作品では味わえないものがあった全12話でした。スタッフの皆様、お疲れさまでした。#listeners_rock
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