ガチガチな話（長いので読み飛ばしてもらって全然構いません）
2022年の言葉ではないのですが、昨年自分の中に残った言葉として「世界は四角くないんだから！」というのがあります。「Gのレコンギスタ」のアイーダの台詞ですね。顔が四角いMSレクテンと戦う際のものですが、「漫画やアニメばっかり見てるんじゃないぞ」という含意を感じずにおれない言葉です。こういう言葉は往時よく言われたものでもあり、なんでだろう？という違和感がずっとあったのですが、自分なりに答えが出せました。
インターネットの普及、などという言葉も既に古くなりましたが、ネットにおける情報量は2002年から2020年で6450倍に増えたそうです。そういう大量の情報に惑わされず、嘘を嘘と見抜くのには論理的な思考が大切……みたいなことがよく言われますが、デマはむしろ増える一方で。どんなに賢くなってもそれで正しくなれるわけではなく、論理を堕落させ悪用するのが私達の悪知恵というものなんでしょう（そういえば長谷川裕一の「機動戦士Vガンダム外伝」では心で嘘をつく力を持つ、ニュータイプ能力すら悪用するキャラが出てきたっけ）。それなのに論理性を至上のものとして過信するのは、論理性だけで世界を分かったつもりになるのはむしろ私達の視界を狭めることになる。「世界が四角く見える」というのは、本当はそういうことなのじゃないかと思うのです。
私達は大量の論理に触れる力を得たけれど、それを表面的な勝ち負けのためにしか使っていないのではないか。いやむしろ、表面的な勝ち負けにいっそう拘泥するようになってしまっているのではないか。（口）喧嘩にせよアニメにせよ「上手さ」を評価基準にする声ですとか、属性とかシナリオパターンの探求やカテゴライズが進みそれを巧みに使っている作品を見ると、洗練された手付きに驚かされると同時にある種の袋小路を見ている気分にもなります。「ツンデレ」という言葉が生まれる前の、素直になれない登場人物に私が感じたあのなんとも言えないときめきはもう帰ってこない。
巧さだけでも、エモさだけでも見えてこないものがある。かつて子供たちが言われた「漫画やアニメばかり見ているとバカになる」みたいなことは99.9%は単なる無知の産物だけれど、0.1%はそんなふうに物事の見方が表面的になることへの本能的な恐怖だったのかもしれません。
もっとも、だからといって自然に帰ろうとかそういうことを思うわけでもありません。この手の新しく生まれたものへの批判はソクラテスが文字の利用を批判した時までさかのぼれるようですし、ものの見方が表面的になるというのも、電子空間を飛び交う株が莫大な利益を生む一方で人々を足下で支えるような肉体労働が低賃金にならざるを得ない歴史的な流れと本質的には同じであって逆行などできない。私も間違いなく文字やインターネットの恩恵を受けている人間だし、それに向かってつばを吐くことはできない。
たぶん、必要なのはブレーキをかけることではなくこの流れを両輪の片方にすること。四角い世界を窓にしてその向こう側まで想像力を広げること。私達が世界の本質だと思っているものはあくまで世界の半面であって、反対側と行き来してこそ世界が見えてくるんだと知ることです。それは100年200年でできるものでもないけど、別に今まで誰もやらなかったことでもない。たくさんの人が無意識に、自覚すらなく受け継いできたことです。だから私も、そのバトンを受け取り次に渡す一人になりたい。見えないバトンを文字で残していきたい。
長々と書きましたが、私は論理の限界を感じられるような、論理だけが全てじゃないと思えるようなアニメレビューを書きたい。そう思うし、たぶん自覚なくそう考えてきたのだと思います。私にとってそれはきっと、「アニメ1話1話のテーマ」という曖昧なものを探っていく先にある。今までと同じように、今まで以上に私なりのレビューを今年も書いていくつもりです。
ゲームとか
リズノワ：井川葵
月スト：早坂芽衣
トリエル：天動瑠依
サニピ：兵藤雫
スリクス：fran
がそれぞれイチオシです。
アイプラを引退するかサ終したら、ゲームは当面いいかなあ……というのが正直な気持ちです。ソシャゲはついお金を、コンシューマーはつい時間をかけてしまう。Youtubeで昔のゲームの当時知らなかった情報を見ると面白いなとは思いますが、自分でもう一度やる余力はちょっとない。ゲームと「踊る」人なんかはすごいなと思います。
食事とか
野菜の冷凍保存を覚えていくらかマシになりました。ショボいパスタソースで済ませる時も、レンチンしたタマネギなりキノコなり足せば栄養価も満足感も変わってくる。あと魚の干物が美味いので、最近は週1回は食べるようになりました。
そんな具合で今年もやっていきます。積みプラ減らすにはやはりPCを立ち上げずスマホに触れないに限る……今年もよろしくお願いします。
