嘘つきの国――「魔女の旅々」6話レビュー&感想

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© 白石定規・SBクリエイティブ/魔女の旅々製作委員会
「魔女の旅々」6話でイレイナが訪れるのは、国王の魔法の剣によって国民が嘘のつけなくなった「正直者の国」。しかし嘘がつけないことと正直者であることはイコールではないはずで、そこには論理の飛躍が――言ってしまえば嘘がある。正直者の国という国名はそれ自体が嘘であり、それはこの国の嘘と正直さのいびつな関係を象徴している。
 

龍虎は光と影――「魔神英雄伝ワタル 七魂の龍神丸」8話レビュー&感想

神部七龍神の力を借り、龍神丸と味方の魔神の合体したような新たな魔神を見せてきた「魔神英雄伝ワタル 七魂の龍神丸」。8話の新たな姿のモチーフは邪虎丸……つまり虎の力を得た龍神丸というわけだが、「竜虎相搏つ」の言葉もあるように龍と虎は特別なライバル関係にある。まして、それが一身にあるとなればいっそう意味は大きい。
 
 

その違いが入口になる――「ラブライブ!サンシャイン!!」2期8話レビュー&感想

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©2017 プロジェクトラブライブ!サンシャイン!!
ラブライブ!サンシャイン!!」2期8話はまさかの雪景色に包まれ、こんな景色は内浦ではあるはずが無いから夢……と考えそうになる千歌に函館だとネタバラシする寸劇じみた場面から始まる。
温暖な内浦ではありえない景色も函館なら当たり前、場所が変われば見える景色も変わってくるものだ。
 
 

花を咲かせる力とは――「ストライクウィッチーズ ROAD to BERLIN」5話レビュー&感想

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©2020 島田フミカネKADOKAWA/第501統合戦闘航空団
前回、前々回と基地での日々を描いてきた「ストライクウィッチーズ ROAD to BERLIN」だが、5話はネーデルラントへと舞台を移して――「変えて」描かれる。本作では「変わる」「変わらない」のせめぎあいが重要な要素となっているが、今回はそこに少し方向性を加えた「変える」のお話だ。
 
 

想像と現実は不均衡――「おちこぼれフルーツタルト」4話レビュー&感想

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©浜弓場 双・芳文社/おちこぼれフルーツタルト製作委員会
「おちこぼれフルーツタルト」4話の始まりは、テレビを食い入るように見つめる衣乃達から。駐車場でとはいえ見事に初ライブを成し遂げたフルーツタルトだが、翌朝のでの扱いは子猫のニュースにも劣る有様。
理想(想像)と現実には常に落差があるもので、緑へもが新メンバーとして加入する今回はその落差が鍵となる。
 
 

偽物に可能性を見る――「ご注文はうさぎですか? BLOOM」4話レビュー&感想

 

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©Koi・芳文社/ご注文はBLOOM製作委員会ですか?
ココアの高校で文化祭の開かれる「ご注文はうさぎですか? BLOOM」4話、彼女のクラスの模擬店はまさかのビアホール……もちろん提供するのはビール風のジュース、偽物。そもそも模擬店自体が店の偽物でもあり、つまりこの4話は偽物があふれ出すお話
である。
 
 

あなたあってのみんなだから――「ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会」5話レビュー&感想

本作の登場人物、エマ・ヴェルデと朝香果林は仲がいい。ただ、それはかすみとせつ菜のような同好のライバル的な仲の良さとは少し違う。当初はアイドルとモデルでジャンルの異なる2人の仲の良さは、どちらかと言えば侑と歩夢のような仲の良さに近い。ならばエマを主体に2人を描く「ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会」5話にしても、そういう目線は援用することができる。