龍虎は光と影――「魔神英雄伝ワタル 七魂の龍神丸」8話レビュー&感想

神部七龍神の力を借り、龍神丸と味方の魔神の合体したような新たな魔神を見せてきた「魔神英雄伝ワタル 七魂の龍神丸」。8話の新たな姿のモチーフは邪虎丸……つまり虎の力を得た龍神丸というわけだが、「竜虎相搏つ」の言葉もあるように龍と虎は特別なライバル関係にある。まして、それが一身にあるとなればいっそう意味は大きい。
 
 

魔神英雄伝ワタル 七魂の龍神丸  第8話「ふたつのココロと最後のカケラ」

 

龍虎とは正反対である

遊園地のような世界でワタルを陥れた少女・オトヒメの考えは楽しいことだけを重視し、それに繋がらない異物を徹底的に排除するというものだった。一見すれば幸せそうなその世界をしかし、虎王もワタルも否定する。笑顔だけの世界は空っぽで、楽しさにやるべきことを忘れた世界は前に進まない。シバラクも言うように、楽と苦のような正反対のものはむしろ片方だけではいけないものだ。ならばもちろん、龍や虎も片方だけではこの遊園地の世界を打ち倒すことはできない。
だからこの世界の龍魔神は、片方だけであることをこそ否定する。ワタルは龍と虎を一心にまとった龍虎丸に乗り、またワタルだけでなく虎王も新たな姿の魔神・白虎丸に乗る。2人が一緒に戦えばこそ、邪虎丸だけでは敵わなかった相手にも打ち勝つことができる。
 
しかし正反対のものもなければいけないというのは光と影のようなもので、物事には常に幸せや良きことばかりが起きてはくれない警句も併せ持っている。龍神丸の全てのかけらが揃い希望だけしか見えない状況はむしろ虎王に胸騒ぎを感じさせ、そして復活した龍神丸は光と影が反転したように悪しき哄笑をあげた。
龍神丸の身に何が起きているのか、そして、この物語はいったいどんな結末を迎えるのだろうか?
 
 

感想

というわけでワタル七魂の8話レビューでした。発表されているのと別に新たに魔神が出るよという話は小耳に挟んでいましたが、同時のパワーアップとは嬉しい驚き。龍神丸のバリエーション的なこれまでとはまた違った造形が見られるのはやはり嬉しい。展開としてもドバズダーはさっぱり分からん相手だったので、それと正面切って戦うより邪悪な謎の龍神丸が立ちふさがる展開の方が納得できるものはある。再来週の最終回が楽しみです。