暴走する「力こそ全て」――「魔神英雄伝ワタル 七魂の龍神丸」5話レビュー&感想

f:id:yhaniwa:20200925231735j:plain

©サンライズ・R

画面の外で第3・第4の世界を突破し、西洋風の世界でバトル大会が繰り広げられる「魔神英雄伝ワタル 七魂の龍神丸」5話。バトル大会では強さが物を言うが、この5話ではその行き着く先が描かれる。

 

魔神英雄伝ワタル 七魂の龍神丸  5話「激闘! 結婚? 風雲ブリキン城!」 

 

「力こそ全て」は暴走する

 
この世界の王オレ=ドレッドは「力こそ全て」だと言う。バトル大会に参加する虎王も、地下牢に囚われたワタルを救うには力で優勝するのが一番と考えるわけだが――勝ち進んだ彼の前に現れたのは、恩人のイズーとオリスカンを助けるためにこれまた戦っている海火子であった。
 
実際のところ、虎王と海火子が戦う理由はこの時点で消滅している。「力こそ全て」のこの世界だから、どちらが勝ってもイズーとオリスカン、ワタルの両方を助けることは可能だ。そんな2人が戦うのはもはや誰かの救出ではなく、どちらが強いかどちらが力があるかが一番の理由になっている。この時「力こそ全て」はもはや暴走して「力だけが全て」に変わっていると言える。
 
それはオレ=ドレッド王も同様で、力こそが全てと考える彼はだから強力な魔神ゴーストンを復活させようとしたのだが、うっかりそれを制御する杖を壊してしまった。制御できない力とはこれまたつまり「力だけが全て」の存在だ。虎王と海火子の激突は、これからゴーストンが暴れるであろうことは、「力こそ全て」が必ず暴走して「力だけが全て」になってしまうという証明なのである。
この力の暴走の図式に、ワタルは果たしてどのように立ち向かうのか。シンプルに倒して危険を説くのか、それとも?
 
 

感想

というわけでワタル七魂の5話レビューでした。駆け足感はともかく、時間が短い分シンプルにテーマを詰め込んである感じが面白いですねこの新シリーズ。ゴーストンとか当時いくらしたのだったか……(当然、買ってもらえるわけもなかった)
しかしトコロテンの術、かけられる方どういう感覚なんだろう。鉄格子でバラバラにならない映像のマジック。