「歌舞伎町シャーロック」6話。娑婆と刑務所を行き来しラムネとラップををキメる変人ヤクザ・杉本。彼は太陽を手刀で切ろうという奇行に走るが、当然切れるわけもない。今回は切ろうとしても切れぬものを繋ぐ、あんちゃん探偵小林の回。#歌舞伎町シャーロック
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年11月17日
今回の悪役である杉本は太陽に限らず、様々なものを切ろうとする。守料として駄菓子屋から金やレアシールを切り取り、スマホを小林から奪って切り取り、果てはヨシオの腕をボーリング球で折って切ろうとする。#歌舞伎町シャーロック
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年11月17日
悪役がはっきりしているから今回はミステリーとしての色彩を持たず、シャーロックの推理落語も披露されない。なら、今回探偵はどこにもいないのか? 否。#歌舞伎町シャーロック
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年11月17日
創作における探偵の役割は推理をすることだが、その行為は換言すれば「犯人によって切られそうな真実を繋ぐ」こと。逆に言えば、その理念に基づけばどういった行動でも探偵の資格を持ち得る。#歌舞伎町シャーロック
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年11月17日
だから今回、探偵の仕事は切らせず繋ぐことによって果たされる。シャーロックは秘密基地の場所が不明なために途切れてしまった手がかりを、その機転によって繋いでみせた。#歌舞伎町シャーロック
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年11月17日
寅太郎は嘘をつこうとしてもすぐ顔に出てしまって失敗する。けれどそれは、真実を切れないということだ。繋がずにおられないというのなら、それは彼が今回における探偵の必要条件を満たしていることを意味する。#歌舞伎町シャーロック
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年11月17日
かつて若造に自分のそばにいなかった人間を感じて庇った寅太郎。歌舞伎町遊撃隊の子供達のために走る寅太郎。何の義理立ての必要もない相手にすぐ人情を繋げてしまう彼は、昔も今も探偵だった。#歌舞伎町シャーロック
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年11月17日
そうして彼は、タマと寅太郎に自分を切断しようとする杉本に一矢報いることに成功する。彼をタマと呼ぶものはもういない。自分自身も繋げることで、今回の彼の探偵としての仕事は完成した。#歌舞伎町シャーロック
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年11月17日
モリアーティもまた、自分の失敗を後悔するヨシオを諭しつつも肯定もする。歌舞伎町を守るリーダーになりたいというヨシオの夢は、こうして繋がれた。#歌舞伎町シャーロック
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年11月17日
そしてそんなモリアーティ自身、いくら他の人間と近付いてもそこから自分を切ってしまおうとするところがあるが――シャーロックの存在が、彼を闇に引きずり落とさない。彼に対してふざけていられる内は、モリアーティはシャーロックに「繋いで」もらっているのだろう。#歌舞伎町シャーロック
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年11月17日
推理を得手としない寅太郎の話によって、本作のあり方の幅の広さが改めて感じられた回でした。次回も楽しみです。そろそろミッシェル回が見たい……#歌舞伎町シャーロック
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年11月17日