「群れなせ!シートン学園」3話。ミキの掲げる不自然異種族交友の絶滅はジン達料理部を念頭に置いたものだが、ジン自身はいいことを言うなどと評価する。掣肘するためのものがむしろ喜ばれる矛盾。#シートン
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2020年1月22日
矛盾はミキが不自然異種族交友の証拠に撮影させた、ライオンのキングがインパラのシホに恋する様でも描かれる。肉食動物と草食動物、ハーレムの王と恋愛への不器用さ、人にものを頼む態度は偉そうなのに言葉遣いは慇懃。キングの矛盾する姿は滑稽なほどだ。#シートン
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2020年1月22日
そして、その矛盾は全てライオンとしてのルールに反するから起きるものだ。キングがオスらしく玉座に座ったままではドアをくぐれないのは、彼がライオンらしく振る舞えばシホへの恋心を叶えようがないからだ。#シートン
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2020年1月22日
百獣の王ライオンは肉体的には十二分に強いが、その強さではライオンとインパラのルールを越えられない。種族以外のルールを押し付ける、「弱肉強食」するには個人としての強さが必要になる。#シートン
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2020年1月22日
キングは自らタテガミを落とし、シホは発情期を無視して思いに応え、ルールは超克される。「種族がこうだから」「皆がそうだから」ではない思いを示すことは、強さの証明なのである。#シートン
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2020年1月22日
ルールに苦しんでいるのは実はミキも変わらないが、彼女の場合は少し複雑だ。防衛部隊を見捨てられないのは種族のルールへの反逆の一方、服の着用が恥ずかしいのは擬人化ルールへの困惑なのだから。#シートン
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2020年1月22日
ミキもまた矛盾を抱えているわけだが、それは彼女の属するハダカデバネズミが哺乳類でありながらハチやアリのような真社会性を持っているのと同じことだ。矛盾は擬人化したから生まれたわけではない。#シートン
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2020年1月22日
しかしミキでなくとも、自分が矛盾していないと言える人間などいるだろうか? 誰であっても矛盾とは一生の付き合いが続くのであり、また付き合うにはまず矛盾の存在を受け入れなければならない。#シートン
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2020年1月22日
だから廃部の危機も、ミキの矛盾を皆が、また皆の矛盾を皆が受け入れひとまず決着する。防衛部隊を見捨てられないミキの悲しさはランカに救われ、またミキは服を着る恥ずかしい行為と共に部の存続を認める。来訪が何だったのかジンには分からず、しかしとりあえず問題は解決した。#シートン
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2020年1月22日
元よりシートン学園は擬人化した動物が通う、矛盾した世界だ。しかし、動物を描いたからこそ本作は人間を描けている。この3話は、それが新たなステージに進む一歩を踏んだのかもしれない。#シートン
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2020年1月22日
以上、シートン学園3話レビューでした。ライオンハーレムに眼鏡っ娘がいない、やり直し。……というのは半ば冗談として、ジンが脇に回ることで多彩さが更に広がる回だったように思います。シームレスに役割の変わるミキとキングも、田村ゆかりと杉田智和が的確に演じていた。#シートン
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2020年1月22日
ミキの下着が日毎にちゃんと変わる細かさなども含め、満足度の高い30分でした。次回も楽しみです。#シートン
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2020年1月22日