「群れなせ!シートン学園」9話。メガネザルの鏡マナコは苺苺のファンだが、話しかけられると喜びがストレスになって死ぬ。正反対のものが隣接しているわけだが、それは苦痛が快楽の苺苺や運動好きで死ぬミユビも同じだ。
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2020年3月3日
© 山下文吾・Cygames/アニメ「群れなせ!シートン学園」製作委員会#シートン pic.twitter.com/UQg7H339sI
本能も絡んでいるから、正反対のものの隣接自体を覆すのは難しい。ならどうすればいいか? マナコは大好きな苺苺を物陰から伺い、時には異常なジャンプ力を見せてまで離れようとした。そう、適切な距離を取ればいいのだ。そしてそれにはミユビの協力が欠かせない。#シートン
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時間的距離、空間的距離、心理的距離……距離にも様々なものがある。それを2人で測るのは困難だが、3人ならぐっとハードルは下がる。誰かが誰かのクッションに、あるいは中継機になれば、多少近過ぎたり遠過ぎたりしても補正できる。#シートン
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マナコを助けたくても死んでしまうミユビを苺苺はフォローする。ミユビはマナコの心理を苺苺に伝え、また彼女の「死んでもいいくらい幸せ」の頭突きを地面から遠ざける。だからマナコも、ミユビの平手打ちを他者にまで伝える中継機になれる。距離が3人をベスト・トリオにしてくれる。#シートン
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距離の問題に悩まされるのは後半も同様で、季節外れの台風の接近によってシートン学園の地下寮は水没し、地上寮の生徒は部屋をシェアを指示される――地上と地下の正反対が、過剰接近しているのが後半なのだ。#シートン
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生徒会長のミキも、ジンと過剰接近する。否定してきた異種族交流が学園に良い空気を生んでいるのなら、自分は生徒達にとって不要なのではないか、むしろジンこそが相応しいのではないかと悩むが、それは適切な距離ではない。ジンは生徒会長になれば人間以外を追い出そうなどと考える。#シートン
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異種族交流について立場としては正反対の両者が近づき過ぎても上手くはいかない。それは服を着るのが常識の人間と裸が常識のハダカデバネズミが一緒にいれば羞恥意識がかち合うのと同じことで、無理に人間のジンの意識に合わせればミキには酷い辱めとなる。#シートン
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無理に近づき過ぎる必要はなくて、適切な距離はあっていいのだ。ジン達のような形ではなくとも、種族を問わず生徒達の話を親身になって聞くミキは既に自分なりの異種族交流をしている。それを告げるジンの態度、ツンデレもまた適切な距離の一つ。#シートン
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脱衣も着衣も同様で、下着姿でいることが自然な(距離のある)空間が作られればそれは辱めの色を薄める。スタイルの差異があっても、近いもの同士で固まれば疎外感は生まれない。全ては、距離次第。#シートン
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2020年3月3日
ゆえに、最後に現れた謎の少女との次回のお話でも距離は重要になるだろう。姿形こそジンと同じだが野趣あふれる彼女との距離を測るのは、なかなか骨の折れるものになりそうだ。#シートン
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2020年3月3日
というわけでシートン学園の9話レビューでした。シンプルに楽しいのに人間関係を学ばせてくれる作風は今回特に顕著で、見返す度に見えてくる構図がありました。#シートン
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2020年3月3日
ライオンの交尾は(1回当りの時間が短いから)すぐ済むけど(回数が多いから)すぐ済まないという正反対、肉体関係の前にご両親に挨拶……などキングとシホの関係にもテーマに通じるものはあって。本当に盛りだくさんな作品だと思います。#シートン
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2020年3月3日