「群れなせ!シートン学園」6話。前回ナマケモノのミユビがひ弱な体に逆らって奮闘する姿が他の動物の応援を呼んだように、ルールをもたらす(押し付ける)弱肉強食は腕っぷしのみではもたらされなくなっている。パンダの苺苺の登場はまた新たな形を、そして新たな視点をもたらす。#シートン
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2020年2月11日
パンダ外交などという言葉もあるくらい、パンダは人気者の動物であり特別扱いされる。他の動物なら許されないワガママ勝手もパンダなら大目に見てもらえる――パンダはその人気によって、ルールを押し付ける弱肉強食の「強」を獲得している。#シートン
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2020年2月11日
しかし逆に言えば、パンダは誰からも対等に見てもらえていない。愛玩動物に向ける視線は人に向ける視線ではない。だからパンダだからといって言うことを聞かず、物を粗末にすれば叱るジンの対応は過剰なほど新鮮に感じられるのだ。#シートン
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2020年2月11日
ジンによってメイメイは「対等に扱われる」喜びを知った。ならば当然その逆も、「対等に扱う」姿勢も学ばねばならない。料理部に入部するには警戒心の強いクルミの賛同も得ねばならず、そのためには自分がクルミを尊重していると示さなければならない。#シートン
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2020年2月11日
「かわいい」と言われるばかりだった苺苺は、夜光るクルミの猫の瞳を美しいと感じる。そして2人は、自分も相手も属性によって愛玩される喜びと苦しさを抱き、そして料理部がそこから解放される場所だと感じている同志であることを知る。互いが対等な存在であることを知る。#シートン
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2020年2月11日
翌朝目覚めた苺苺の側には、クルミの手土産のハダカデバネズミ。気ままな彼女はけしてベタベタしないが、確かに苺苺を認めたのだ。対等な関係はこうして成立し、苺苺は料理部入りを認められた。#シートン
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2020年2月11日
そしてその意識の変化は、ジンにも確かに訪れている。眠る苺苺に布団をかけてあげるなどとは、かつてのただの獣嫌いの彼ならしなかったろう。ジンもまた学園の生徒達を対等に――「人として」見るようになってきている。それは紛れもなく、彼の人間的成長なのだ。#シートン
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2020年2月11日
というわけでシートン学園の6話レビューでした。いい話だ……人を尊重し尊重されることの大切さが、教条的な硬さもお涙頂戴もなくお話に溶け込んでいる。あくまで陽気でコミカルな現代の寓話。犬宰治の動物失格ってどんな本だよ読んでみたい。#シートン
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2020年2月11日
クエスチョンマークに動物の耳を付けている細かな工夫も含め、とても魅力的な回でした。次回はイエナの悩みが新たなステップを踏むお話になるようで、また楽しみです。#シートン
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2020年2月11日