「虚構推理」7話。今回提示される情報の大半は新たなものではなく、既に描かれてはいたもの。全体にあるのは「再認識」「問い直し」であり、私達視聴者もまた既知のものへの認識を新たにしていくことになる。#虚構推理
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2020年2月23日
例えば紗季は、自分と寺田の関係を再認識する。もっと強く注意しておけば死を防げたのではないか。好意を寄せてくれる相手の下の名前も知らなかったくらい、自分は彼に冷たかったのではないか。そう思えばこそ、馬鹿な質問と分かっていても寺田の霊と会えないか尋ねずにいられない。#虚構推理
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2020年2月23日
また私達は、ホテルの一室で義眼も義足も外した琴子の思案の様子を目にする。私達視聴者は彼女が一眼一足なのを再認識し、またその「すっぴん」を九郎に見せる様子に(後には紗季と共に)2人が恋人なのだと再認識させられる。#虚構推理
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2020年2月23日
再認識は現状にも及ぶもので、恐れていた鋼人七瀬による殺人事件は単に被害者が出ただけの問題ではない。噂によって鋼人七瀬が凶暴化し、更には自ら被害に会いに行くような者すら出る恐れすらある。その切迫性、そして現実が絶対ではない事実を再認識し紗季はうろたえる。#虚構推理
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2020年2月23日
紗季が提示した条件でも分かるように、現状から「合理的な虚構」をひねり出すのは相当な難題だ。知恵の神を担う琴子ですら、一度は思考を放り出してしまわねばならない。九郎の言葉をヒントに「問い直し」「再認識」しなければ、勝利などとてもおぼつかない。#虚構推理
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2020年2月23日
「困難は分割せよ」――一度は使用を断念したその概念は、当てはめる対象を事件そのものではなく解決方法に変えること、「再認識」することで蘇る。そもそも困難の分割とは、困難な現実を「問い直し」「再認識」する行為なのだから、これは手法と用法の両面で正当と言えるだろう。#虚構推理
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2020年2月23日
最初はぬたっていると否定的だった高級チョコへの甘さを味わい直し(再認識し)、琴子は解決策を考案して眠りにつく。起こすように指定された夜9時または鋼人七瀬の出現をもって、事態は新たなステージへと仕切り直される(問い直される)だろう。#虚構推理
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2020年2月23日
そしてそのわずかな間隙の会話に、私達はもう1つのことを再認識する。長期入院していた九郎の従姉、六花。もっとも好みだったという彼女と九郎の関係とは。死亡したはずの彼女の現状とは。彼女が鋼人七瀬の誕生に中心となって動いている理由とは。その答えは、今はまだ見えない。#虚構推理
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2020年2月23日
というわけで虚構推理の7話レビューでした。前回に続きメタ的な楽しみが濃いなあ、舌の上で転がさないと味が出てこない。解決を分割する九郎の助言が「六花はそうやって鋼人七瀬を生み出したはずだ」という意味で言われていることに初見では気付けなかった。再認識が必要だった。#虚構推理
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2020年2月23日
また印象的だったのがこのカットで、共に尋ねる側としてテーブルに配されながらも九郎と紗季の位置はけして同じでない。九郎は琴子にまっすぐ近付けるのに対して、紗季はテーブルと琴子が画面上の障害となって容易には移動できない。
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2020年2月23日
(C) 城平京・片瀬茶柴・講談社/虚構推理製作委員会#虚構推理 pic.twitter.com/AD4dbMQJWs
4つに分割するとは言っても解決策なんて全く想像もつかないのが正直なところ、「その手があったか!」という頓智は果たしてどんなものなのか、次回が楽しみです。#虚構推理
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2020年2月23日