「波よ聞いてくれ」1話。ヒグマにガン見されて始まるラジオ番組。このアバンは嘘だと後に分かるわけだが、主人公・ミナレが危険なものを前にしているのは変わらない。
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2020年4月6日
©沙村広明・講談社/藻岩山ラジオ編成局#波よ聞いてくれ pic.twitter.com/DAJKlU6iBa
想像上のヒグマと彼女を分かつ沢は、虚実のボーダーラインである。現実はスタジオでの収録でも、ミナレはヒグマを目の前にしている虚構を現実に引き寄せなければならない。それがどれほど危険な難事か。#波よ聞いてくれ
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2020年4月6日
編集技術も駆使して虚構のヒグマは沢を越え、ミナレはそれと戦う頓狂をスタッフに幻視させるに至る。描かれるのは虚構だし、更にはアドリブ=脚本上に存在しない虚構すらあるのだが、そこにはすり下ろした本心があることも指摘される。#波よ聞いてくれ
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2020年4月6日
そもそも、ミナレはボーダーを容易く越えてしまう人間なのだ。酒に酔えば40分前に知り合ったばかりの麻藤に絡みに絡むし、記憶がなくなるほど酔っている筈なのに靴を揃えて現実にも帰還する。元カレの嘘を信じ、出勤時刻のボーダーも楽屋ネタのボーダーも乗り越え上等。#波よ聞いてくれ
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2020年4月6日
そんな彼女を走らせるのもやはりボーダーを越える行為で、居酒屋で巻いた管が公共放送で開陳されるなどあってはならない。慌てたミナレはラジオ局へ向かうが、店員服で早退を告げるでもなく行ってしまうのだからやはりボーダーを越えている。#波よ聞いてくれ
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ミナレの酔態をラジオで晒した麻藤は、止めたければ自分で穴埋めをしろと悪びれもしない。悪ふざけと慧眼、プロと素人、事実と詭弁。あれやこれやのボーダーを越える奸計は、素人とは思えぬミレナのマシンガントークを引き出す結果になった。#波よ聞いてくれ
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録音して流されていたのは居酒屋で巻いた管であり、ラジオ番組としては虚構である。しかしそれはミナレをスタジオに呼び込み、彼女に本当にラジオ番組をさせる。#波よ聞いてくれ
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言い訳じみたカテゴライズの話の果て、流れ出るのは元カレへの殺害宣言――どちらも本気で嘘で、そのボーダーを越えるところに彼女の話の面白さがある。寄せては返す虚実の波間に、本作の生きる世界があるのだ。#波よ聞いてくれ
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2020年4月6日
というわけで、波よ聞いてくれの1話レビューでした。やー主人公のセリフ量の多さよ。ラジオ番組やってるからというよりミナレの言葉そのものがラジオ番組じみてるというか。勢いだけで聞いてもどこか気持ちよさがある。#波よ聞いてくれ
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2020年4月6日
藤真秀さんの麻藤もまーいい感じに胡散臭いおっさんというミナレ評がぴったりで。これも勢いだけでも聞いてもどこか気持ちよさがある。会話の一面の本質が感じられる作品になっているように思います。#波よ聞いてくれ
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2020年4月6日
これが長く続く話ってどんなのよ?というびっくり箱が残り11話。はてさて、どんな波間に誘ってくれるのかな。#波よ聞いてくれ
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2020年4月6日