「ラブライブ！サンシャイン!!」3話レビュー～水は天地を巡り始めた～

「ラブライブ！サンシャイン!!」3話。練習してたらヘリが近くに飛んでくる、乗っていたのは「チャオ！」などと笑顔の少女。この時、千歌の前には冗談と本当の両方が押し寄せている。
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— 闇鍋はにわ (@livewire891) June 30, 2020

実際、現れた少女・小原鞠莉は冗談と本当の境目が付き難い人物である。いつもふざけているかのような言動にも関わらず、理事長兼生徒などというふざけたポジションは間違いなく事実だったりする。#lovelive_sunshine
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また規定人数を満たさぬ千歌達を鞠莉がスクールアイドルと公認するのは冗談のような本当だし、しかし初ライブで体育館をいっぱいにせよというのは学生全員集めても叶わないのだから本当のような冗談に思える。#lovelive_sunshine
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つまり人数不足での公認という冗談を本当にしたければ、人数不足という明白な本当を冗談にしなければならない。だが駆け出しの千歌達はもともと「本当」だけでも「冗談」だけでも勝負できるほどの力は持っていない。#lovelive_sunshine
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曲ができたばかりでダンスもまだまだの実像の拙さ。電気の灯りが切れた時に歌い始められても歌い切ることはできない虚勢の弱さ。どちらをとっても千歌達はまだまだ未熟だ。#lovelive_sunshine
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「Aqours」のグループ名すら誰が考えたのでもなく、偶然の出会いから生まれている。「冗談」の力を借りて生まれている。だが、冗談であろうとそれは千歌達という器に注ぎ込まれたものであることは変わらない。#lovelive_sunshine
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千歌達は言う、「輝きたい」と。輝けているならその言葉は出ない。だが輝きたいと思わぬ者の口からその言葉が出ることはない。そしてその言葉を体現する者は実は、その時点で既に輝いている。
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千歌達は冗談と本当を行き来する中で成長していくのだ。バスの時間を忘れるほど熱中して、開演時間を間違えて自ら観客数を少なく勘違いして、これまでのスクールアイドルの努力と町の人の善意でどうにか公認条件を満たして。#lovelive_sunshine
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冗談と本当を行き来することは借り物と己だけのものを行き来することであり、他者の力を習得しまた己の力を他者に分け与えることでもある。千歌と梨子が見せた求め合い与え合う関係を、Aqoursは観客との間に築こうとしている。
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今はまだ小さなその関係はしかし、集まる度繰り返す度に大きくなっていく。見ているだけでは流れぬ「水」は、Aqoursは、雨と共に天地を巡り始めた。#lovelive_sunshine
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というわけでサンシャインの3話レビューでした。ああ、いいですね。μ’ｓの初ライブを彷彿とさせつつ同じにはならず、成功を収めながらもそれは未熟さの証明で、だけどそれすらも踏み出せたから得られたもの。#lovelive_sunshine
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通常は冗談の存在の非常用電源が、本当になって停電を冗談にしてしまう……というのがまたテーマ的にきれいです。ダイヤもまた冗談と本当を行き来しているのが感じられるし。
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