「デカダンス」2話。死んだ人間への弔いや悼みはしかし、直後に裏切られる。現実と虚構の間の壁は厳然としているようでいて、実際は薄い。
— 闇鍋はにわ (@livewire891) July 16, 2020
©DECA-DENCE PROJECT#DECA_DENCE pic.twitter.com/fAz7XAjI6C
それは娯楽に過ぎないと明かされる本作の世界が、精緻な再現データなどではなく現実のユーラシア大陸を使用していることからも言える。デカダンスという娯楽は、現実を虚構にしている。#DECA_DENCE
— 闇鍋はにわ (@livewire891) July 16, 2020
何が現実か、あるいは何が真実かは運営する超巨大企業ソリッド・クエイク社が決める。彼らが虚構と判断すれば地球も虚構だし、彼らが決めた虚構を現実化することは許されない。
— 闇鍋はにわ (@livewire891) July 16, 2020
©DECA-DENCE PROJECT#DECA_DENCE pic.twitter.com/tvwwUVC6Vk
デカダンスで活動するための素体・ギアのダメージが本体にフィードバックするようにするリミッター解除がチートとされるのも、現実と虚構の一線をソリッド・クエイク社の許可なく勝手に越えるものだからだ。#DECA_DENCE
— 闇鍋はにわ (@livewire891) July 16, 2020
しかし「人」の心はそんなに単純ではないから、些細なきっかけでその一線は踏み越えられる。マイキーがデカダンスの中にこそ現実を見出したように。カブラギが彼の思いに自分を重ねてしまったように。#DECA_DENCE
— 闇鍋はにわ (@livewire891) July 16, 2020
ソリッド・クエイク社にマイキーがスクラップにされたことで、カブラギはそれが許されないと思い知ったはずだった。「バグ」もまたソリッド・クエイク社が決めるもので、カブラギに報告の余地はあっても決める余地はないはずだった。#DECA_DENCE
— 闇鍋はにわ (@livewire891) July 16, 2020
けれどそれに逆らう者がいる。プレイヤーでないはずが戦士を目指し、大切にしている写真を脅しに使い、チップ回収を寝ている人からお金を盗んだと誤解する少女ナツメは、何が現実で何が虚構かを他人に委ねない。#DECA_DENCE
— 闇鍋はにわ (@livewire891) July 16, 2020
カブラギは知る。システムでは彼女が死者扱いで認識されていないことを。バグは危険だ不要だとソリッド・クエイク社は言うが、彼らが不要なものを都合よく呼称しているのとは違う本物のバグが存在していることを。つまり、現実と虚構の一線が越えられることを。
— 闇鍋はにわ (@livewire891) July 16, 2020
©DECA-DENCE PROJECT#DECA_DENCE pic.twitter.com/vNV7Yoyyio
だったら、カブラギがそこからエネルギーをもらってもいい。精神的な生きる気力の枯渇していた彼が注入したのは、実際上の生きるエネルギーであるオキソンだけではなかった。#DECA_DENCE
— 闇鍋はにわ (@livewire891) July 16, 2020
虚構に見える現実を生きる現実主義者と、現実に見える虚構を生きる夢見る少女は、そうして互いの現実と虚構の一線を乗り越えていくだろう。かくて物語は、真の始まりを迎えたのだ。
— 闇鍋はにわ (@livewire891) July 16, 2020
©DECA-DENCE PROJECT#DECA_DENCE pic.twitter.com/zEYn58NzXQ
というわけでデカダンスの2話レビューでした。ナツメが「本物のバグ」という見立ては割と早期に浮かんだのですが、「ソリッド・クエイク社が現実と虚構の一線を恣意的に決めている」という見立てが出るまでスッキリせず書きあぐねた次第。#DECA_DENCE
— 闇鍋はにわ (@livewire891) July 16, 2020
前回のレビューでは「場違い」を鍵にしましたが、これは現実にはみ出した虚構やその逆は「場違い」になるということなのかなと思います。「ゾーン」も現実と虚構の一線を操作する能力と言えるかな。#DECA_DENCE
— 闇鍋はにわ (@livewire891) July 16, 2020
実はゲームでしたなんてのは手垢がついた展開ですが、現実をゲーム化してしまうのはその先に進んでいてなかなか興味深い。現実主義者と夢見る少女の図式にも連なるし。テーマ性を面白く表現してくれる作品になるかもしれません。#DECA_DENCE
— 闇鍋はにわ (@livewire891) July 16, 2020