幽霊に常識は通じない――「境界戦機」12話レビュー&感想

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©2021 SUNRISE BEYOND INC.
決戦始まる「境界戦機」。12話では再び姿を現したゴーストにアモウ達が立ち向かう。今回は激戦に揺さぶられる境界線のお話だ。
 
 

境界戦機 第12話「隠岐の島戦(前編)」

 

1.幽霊に常識は通じない

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ゴウケン「アジア軍は海岸線に防衛戦を敷き始めている。ゴーストの本土侵攻を防ぐためにな」
 
ジェルマンの情報通り隠岐の島に潜伏していたゴーストだが、改めてその戦闘力は圧倒的だ。冒頭で迎撃したアジア軍はアメイン6機を手もなく撃破され、その後も有効打を与えられず島から撤退。本土での防衛ライン再構築を余儀なくされてしまった。アジア軍はゴーストに領土を奪われたに等しく、すなわちこれは既存の境界線の無効化にほかならない。
 

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ガシン「俺はヤツを倒したい。あいつは父さんの仇で、あいつを倒さない限り俺は前へ進めない」
 
振り返ってみればこれまでも、ゴーストは既存の境界線を無効にしてきた。ガシンから柔らかな笑顔を奪い、レジスタンスに参加しようとしたアモウの決心を崩し、勝利を確信していたブラッドからまんまと逃げおおせる。常識などといった境界線は幽霊ゴーストの前ではあまりに無力だ。
 
 

2.境界線を引き直せ

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アジア軍兵士「なんで俺たちだけ!たった2機であんな化け物相手に一体何ができる!?」
アジア軍兵士「連絡もない、救助もない。俺たちは見捨てられたんだ」

 

ゴーストの強大な力の前では、所与のものとして認識されている境界線は意味を失う。これまで支配する側にいたアジア軍の軍人も捨て駒にされるし、隠岐の島の住人も戦闘に巻き込まれる危険に晒される。なら、必要なのは新たに境界線を引き直すことだろう。
 

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ゴウケン「我々は軍人ではない。が、協商圏の人間だろうが弱者は助ける。それだけだ」
 
戦いそのものに限らず、八咫烏が今回しているのは境界線の引き直しだ。島を出て勘当同然の状態だった親子に連絡役を頼むことで再び家族の輪の中に入れ、アジア軍の兵士だろうと弱者なら要救護者として救う。また八咫烏をゴーストにぶつけ漁夫の利を狙うブラッド大尉にしても、その作戦は敵味方の境界線を引き直す行為と言える。
 

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ガイ「よし!閉めるぞ!」
 
再びゴーストに戦いを挑むにあたって、アモウ達は新たな装備や仕掛けによって彼我の境界線を引き直そうとする。拘束に用いる電磁ネットもそうだが、破壊すべく追い込んだ弾薬庫でゴーストを閉じ込めるシャッターは彼らが新たに引こうとする境界線を視覚的にも分かりやすく表現している。狭い弾薬庫の中に押し込めた上で爆破することで、いかな難敵と言えど倒せる……はずだった。
 

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シオン「嘘でしょ……」
 
だが、ゴーストもただ押し込められはしない。相手が新たに境界線を引くなら己もその度に境界線を無効にすればいいだけの話であり、自己進化能力を持つゴーストにとってはこれは自らの支配域を広げる絶好の機会ですらある。シャッターという境界線で閉め切った中で大量の爆弾を爆発させてもなお、ゴーストは健在だった。
 

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打てるだけの手を打ってなお倒れないゴーストの支配域に、覆されぬ決定的な線を引く方法はあるのか。
引き直しても引き直しても境界線を無効にする存在に立ち向かう方法こそは、アモウが手にしなければならない答えなのである。
 
 

感想

というわけで境界線機の12話レビューでした。ゴーストのネーミングが読み解きに面白い感じにハマってくれましたが、なんだかHPが表示されない敵と戦ってるような感覚だな。
次回、アモウが導き出す勝利のロジックに注目したいと思います。
 
 

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