蘇る物語(サガ)――「ゾンビランドサガ リベンジ」6話レビュー&感想

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©ゾンビランドサガ リベンジ製作委員会
反響が思わぬ未来を呼ぶ「ゾンビランドサガ リベンジ」。山田たえを主役とした6話は、とりとめのない一日と共に前期の面々の今を教えてくれる。そこにもまた"蘇り"がある。
 
 

ゾンビランドサガ リベンジ 第6話「ウォーキング・ベット SAGA」

生きていく上でお金は大切です。
死んでるあいつらにとっても大切です。
駅スタの失敗を取り返すには、もっと効率よく稼いでいかなければ。
ここらでプロデューサーの必要性をもう一度わからせてやる。
人生は決してギャンブルなどではない。
成功は自らの努力により掴み取るのだ。
……まずは、どうやったらこの壷が高く売れるかを考えよう。
  ―――――《巽幸太郎》の日記より 

 (公式サイトあらすじより)

 

1.行動は相手の中で蘇るもの

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©ゾンビランドサガ リベンジ製作委員会
山田たえは謎の多いゾンビィだ。素性はもちろん、未だ自我に目覚めぬその行動はいつも突拍子もなく、初めて見る人は解釈に困るほど。しかしたえを知るさくらやファン達からすればそれは当たり前のもので、驚くことこそあれ拒んだりはしない。
 

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©ゾンビランドサガ リベンジ製作委員会
大古場「メチャメチャ馴染んどるな……」
 
人の行動はそもそも、受け取る相手によってその意味合いも変わるものだ。好意が届かない時もあれば、敵意が理解されないこともある。意思疎通の難しい所以だが、故に伝える側の表現を超えて受け手に響きもする。行動は相手の中で"蘇る"のである。
 
 

2.死の後にこそ蘇りの広がりがある

行動は相手の中で蘇る。それはけして、解釈の正誤に留まるような話ではない。
 

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©ゾンビランドサガ リベンジ製作委員会
万梨阿「まあなんでダンスかて言うたら、フランシュシュでパフォーマンスする2号さん見て、ツッパるとこて一つやなかて思うたっちゃ」
 
万梨阿はサキを見て、自分のありようがレディース以外にあることに気がついたからダンスチームを始めた。
 

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©ゾンビランドサガ リベンジ製作委員会
殺女「美沙さんはあのチキンレースの後、2号さんがたどりついたスピードの向こう側を求めてボートレースの世界に飛び込んだとさ」
 
美沙もまたサキを見て、ボートレースという新たな行き先を見つけ出していた。サキは別に万梨阿や美沙に踊ったり競艇しろと言ったわけではない。それはサキを見て二人が自ら見出したものだ。サキの行動を二人が自分の中で"蘇らせた"ものだ。アイドルにはそういう力がある。そして、アイドルほどではなくとも人は誰しもそういう力を持っているものだ。だから人と人の繋がりは、物語(サガ)となって人を変えていく。
 

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©ゾンビランドサガ リベンジ製作委員会
そして、蘇りの前には死が欠かせない。万梨阿のダンスはまだまだ未熟だし、美沙は今回まで一勝もできずイノシシと揶揄までされた。駅スタで大爆"死"したフランシュシュももちろん同様だ。……そして、情報誌記者の大古場も張り付き取材が収穫なしだと、死んだと判断した後にこそたえの首が飛ぶ驚愕の場面に接する。その事実はEDが、6話が一度終わった後にこそ蘇ってくる。
 

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犬走『じゃなきゃ、生き返ったゾンビっすね』
 
過去の有名人のそっくりさんでないなら、フランシュシュはゾンビではないか。カメラマンの犬走の言葉は、冗談としては死んで大古場の脳裏に蘇る。しばらくは埋葬されるであろうこのスクープが再び目覚めた時、さくら達に訪れる危機はいかなものか。蘇りの時を待ちたい。
 
 

感想

というわけでゾンサガ2期の6話レビューでした。ボールペンのインク吸ってくしゃみで舟券に記入とかどうやったら思い浮かぶのか。軽業じみた展開に驚かされ、前期のキャラのその後が見られる嬉しさやスーパーではロメロが腕に巻き付けるぬいぐるみになったりする細かさなんかも面白い。たえが本当に色々なものを蘇らせる回だったのだと思います。ホントめちゃめちゃ馴染んどるな……あと前回の振り返りの「どやんシングオールナイト」が地味にツボでした。夜通しどやんす。
 
不安になるラストはひとまず置いておいて、次回は学園祭にお邪魔する回なんでしょうかね。またこれまでにない物語が楽しめそうです。
 
 

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