「推しが武道館いってくれたら死ぬ」2話レビュー～段差越しの鏡～

「推しが武道館いってくれたら死ぬ」2話。ガールズフェスタに出演するのはCham Jamの全員ではなく、選抜。選び選ばれる姿に、アイドルとドルオタの関係の一面がある。#推し武道
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2020年1月17日

Cham Jamだけを見ればセンターのれおは圧倒的に選ばれた存在だが、視点を広げればけしてそうではない。インディーズから地下に露出は減っているし、おしゃれ女子の集まるガールズフェスタでは知名度の低さを露呈する。#推し武道
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2020年1月17日

グループ内の人気の差など吹けば飛ぶようなもので、ここではくまさの推すれおもえりぴよの推す舞菜も変わらない。
くまさの言うアウェー感とはれおが感じるアウェー感でもあり、それはれおが世間からは選ばれていない証拠だ。#推し武道
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2020年1月17日

けれど皆を魅せることはできなくとも、誰かを魅せることはできる。そして誰の一番にもなれなくとも、誰かを一番好きになることはできる。ランウェイという段差あるステージは、本来異なるはずのれおとくまさが噛み合う奇跡を起こす。くまさは観に来た。れおはレスした。#推し武道
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2020年1月17日

前回書いたようにドルオタにとってはステージ下こそが自分の舞台であり、そしてレスとはドルオタの舞台にアイドルが返す喝采だ。くまさはけして誰かの一番になれない。けれどそれに等しい価値を持つものを、確かに彼は得ている。#推し武道
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2020年1月17日

くまさと同じく涙する舞菜が、その等しさを証明する。誰かを一番好きな喜び、誰かに一番好きになってもらえる喜び。それだけで、ステージには幸せが生まれる。#推し武道
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2020年1月17日

一方、視界を広げて等しさが生まれるなら、逆に視界を狭めれば小さな段差は大きくなる。くまさにとっては地下アイドルだろうとれおがセンターなのが嬉しいし、その中での格差がえりぴよには辛い。#推し武道
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2020年1月17日

「Cham Jam」と一言で言っても、その中にも格差も濃淡もあるのだ。2人だけの濃密な関係、喧嘩するほどの好意、ファンレターの数など、今回アイドル達はメンバーとして均質化されない姿を見せる。彼女達の中にだって、ステージと客席に等しい差がある。#推し武道
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2020年1月17日

しかし推しの違うくまさとえりぴよや今回のくまさとれおが示すように、その差は手を取れないものではない。ファンレターをもらいたい舞菜のれお達との相談は、喫茶店でえりぴよ達が推しの違いを越えてファンレターについて雑談するのと同じものだ。#推し武道
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2020年1月17日

舞菜を単推しするえりぴよとえりぴよだけが単推しする舞菜の関係は、ステージを挟んで鏡写し。舞菜はファンレターが欲しいのではなく、えりぴよからのファンレターがほしい。えりぴよの負担しか頭にないから、他の人には意味不明な短冊発言が飛び出たりする。#推し武道
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2020年1月17日

前回のチェキ写真のように、2人は思い合いながらもその手は重ならない。短冊は100枚書かれ、またそれは舞菜に届くことなく空へ飛んでいく。それでも、相手からのメッセージを待つ2人の楽しみが等しいこともまた変わらない。桃色の片思いは、今日も舞う――#推し武道
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2020年1月17日