割れた弾丸――「BIRDIE WING -Golf Girls' Story-」7話レビュー&感想

©BNP/BIRDIE WING Golf Club
競い飛ぶ「バーディーウィング」。7話ではイヴとローズの勝負が繰り広げられる。今回は2つに割れた弾丸をイヴが取り戻すまでの物語だ。
 
 

BIRDIE WING -Golf Girls' Story- 第7話「葵色の弾丸」

互いの命をかけた、超高レートの賭けゴルフが始まる。イヴが勝負する相手は、なんとローズだった。仲間の未来のためにも、イヴにとって絶対に負けられない勝負が始まる。ローズのゴルフは、イヴと同じく力でねじ伏せるプレースタイル。それもそのはず、ローズはイヴと同じく、レオに師事していた姉弟子だったのだ。飛距離も精度もイヴの一歩先をいくパワフルなショットを放つローズ。イヴはなんとかローズに食らいついていき、ギリギリの勝負を繰り広げていく。
 

1.割れた弾丸

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ローズ「あのレオに3年間もゴルフを教えられてあの程度の飛距離しか出せないとは……イヴ、兄弟子として俺がお前に引導を渡してやる」
 
前回その狙いがイヴとの勝負にあったことが明かされたローズだが、この7話では更に衝撃の事実が明かされる。ティーショットに彼女が放ったのはイヴの「直撃のブルーバレット」の飛距離を軽々超える「紅蓮のローズバレット」……ローズはイヴと同門、兄弟子にあたるゴルファーだったのだ。飛距離に限らず過去においても上回ることで、ローズは相手の胸を撃ち抜くイヴのプレースタイルを強奪している。この試合における彼女は例えるなら"突き放す弾丸"だと言える。
 

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イヴ「大丈夫。今すごくグッと来てるから!」
 
対するイヴはお株を奪われるような形になっているが、無論それで勝負を諦めたりはしない。実力差を見せられればむしろ燃え上がる彼女の弾道に、いささかもブレはない。この試合におけるイヴは例えるなら"追いすがる弾丸"だ。これまでイヴの専売特許だった弾丸の座は今回、ローズによって真っ二つに割られているのである。
 
 

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弾丸の性質が違う以上、ローズとイヴの勝利条件は同じではない。兄弟子は成長した弟弟子を引き離して然るべきだし、逆に弟弟子は兄弟子に追いつき追い越そうとするもの。久しぶりの試合でローズの勝負勘は完璧に戻ってはいないが、二人にとって決着要因となるのはそんな些末な差の問題ではない。ローズにとってはもっと根本的な部分で圧倒することが、イヴにとってはそこを追いつくことが、自らこそ真の弾丸だと証明すること――相手の胸を撃ち抜くことになるのだ。
 
 

2.弾丸を取り戻せ

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カトリーヌ(なんで打てるのよーーっ!?)

 
先に書いたように、ローズとイヴの勝利条件は見た目通りのところにない。ならば外野の生半可な横槍は手助けどころか、逆に足を引っ張る結果にもなりかねない。ローズ側に賭けている不動産王にしてマフィアの一員、カトリーヌが今回犯すのはそういう過ちだ。
 

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カトリーヌ(あの子はボールをまっすぐにしか打てない。なら、まっすぐだけでは攻略できないホールにすればいい……)
 
ローズとイヴのサドンデスマッチプレイがなかなか終わらないことに業を煮やしたカトリーヌは、部下に命じ次のホールをイヴに不利なものになるよう設定する。これまで描かれてきたようにイヴは直線的なショットしか打てない欠点を抱えており、ならば曲がるショットでなければ絶対に打数の増えるコースにしてしまえば勝てるだろうというのがその目論見だった。
 

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ローズ(あのババア、仕込みやがったな)
 
カトリーヌのこの横槍を、ローズは快く思わない。相手が苦手としていると分かりきった分野で勝負しても、それは兄弟子が弟弟子を圧倒することにはならないからだ。これでは見た目上の決着はついても、ローズにとっての勝利条件を満たすことにならない。だがこの横槍は実際のところ、イヴにとっては危機どころか追い風だった。
 

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イヴ(弾丸は七色……輝け、葵!)
 
誰もがまっすぐ打つしかないと思いながら見つめる中、イヴのショットは美しいカーブを描いてカップへと近づく。"曲撃のパープルバレット"……VRで葵と再会した際、イヴは以前彼女が見せたスライスショットを教わり習得していたのだ。
 

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ローズ「い、いつスライスボールを覚えた……」
 
苦手と分かっている分野で勝っても兄弟子が弟弟子を圧倒することにはならない。だが弟弟子は、苦手としていた分野を克服すればそれだけで兄弟子を脅かすことができる。事実この出来事は初めてローズを動揺させ、そのプレーには狂いが生じ始めた。経験の差からこのホールでの決着こそつかなかったが、"追いすがる弾丸"は既に"突き放す弾丸"に追いついている。
 

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イヴ「あんたの背中に銃口を突きつけた。もういつでも撃てる!」
ローズ「冗談だろ」

 

突き放すか、追いすがるか――不可視の領域で繰り広げられた戦いはイヴが先に勝利条件を満たした。しかしこれは客観的にはビハインドを取り戻したに過ぎないことはイヴも分かっている。パープルバレットを披露した時にイヴが口にしたように、あくまで彼女はローズの背中に銃口を突きつけただけなのだ。
 

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イヴ「今度は正面から撃ち抜く!」
 

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ローズ「フッ……やってみろや」

 

ようやく対等の立場を手にしたイヴは、次なるホールでこの日最長となるロングショットを披露する。ローズに背中から追いつくのではなく、今度は正面から撃ち抜くと宣言する。それは彼女が取り戻すべき自己をようやく視界に捉えた証だろう。割れた弾丸を1つに戻すことこそ、イヴが今回取り戻すべきスタートラインだったのである。
 

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かくて続くと思われた物語はしかし、それを全うすることを許さない。弾丸がイヴの手に戻った時点で、ローズはもはや弾丸たり得ないからだ。不調を見せ始めていたローズの右腕は突如として崩壊し、その正体が義手であったことが明かされる。……彼女の過去には何があり、そしてこれからは何が待っていると言うのだろうか。
 
 

感想

というわけでバディゴルの7話レビューでした。ローズの強キャラ感と兄弟子としての面倒臭さ、イヴと葵のイチャつき等など今週も見どころたくさんですね。イヴを応援するヴィペールがもう完全に素でいい人なところとかカトリーヌのリアクション芸も楽しい。楽しい……! また新事実が明かされたり決着となりそうな次回が待ち遠しいです。
 
 

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