新生活は新世界――「おちこぼれフルーツタルト」2話レビュー&感想

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©浜弓場 双・芳文社/おちこぼれフルーツタルト製作委員会
新生活で毎朝勉強や仕事に励む人達への衣乃達の応援から始まる「おちこぼれフルーツタルト」2話だが、駅前に人はおらず誰を応援するんだとロコはツッコミを入れる。新生活応援から応援が不在なら当然残るのは新生活。そして、新生活は新入生や新入社員だけに訪れるものとは限らない。
 
 

 おちこぼれフルーツタルト 第2話「ろっくなしんがっき!」

 
 

1.新生活を送るのは

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©浜弓場 双・芳文社/おちこぼれフルーツタルト製作委員会
新入生に相当するのはもちろん衣乃で、ネズミ荘に入ったばかりの彼女には些細な出来事も新鮮で新生活の驚きになる。ロコと仁菜が一緒に寝るのはよくあることでもいつものことではないから驚くし、学校が休みの間は早起きする必要がないからはゆの寝起きの弱さも知らなかった。高校にしても、人数も生徒の様子も地元とまるで違えば驚きも大きい。
 
しかし新生活とは、衣乃のように分かりやすく環境を変えた人間だけに訪れるものではない。登校の前にこれまでと違うふるまいをするよう(アイドルとバレないよう)穂々に言われるのは高校2年のロコや仁菜も同様だ。そう、アイドルユニットとしての(撮影される)生活こそは、衣乃達4人全員に訪れた新生活に他ならない。
 
 

2.新生活に変えるのは

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©浜弓場 双・芳文社/おちこぼれフルーツタルト製作委員会
アイドルユニット・フルーツタルトとなったことは、衣乃達の生活に様々な変化をもたらしている。学校での正体バレの懸念(期待)は不発に終わったが、CDデビューは打ち合わせや役割分担を必然的に増やし、4人が4人でいる時間や互いを知る時間を着実に増やしている。作曲に悩む間に4人がアイドル衣装を着ているのは、それが彼女達にとって学校のものと同じ「制服」だからで、そこでされるやりとりはすなわち彼女達の「新生活」なのである。
 
アイドルユニットとしてどうすべきか相談する中で、4人は互いの新たな一面を知っていく。そこに新世界を見出していく。元気なはゆも恥ずかしがり屋なことであったり、ロコが落語が好きなことだったり、仁菜が女の子の匂いが好きなことであったり――そして衣乃が女の子好きで変態なことだったり。
 
 
新しく誰かを知ることにも、誰かの何かを新しく知ることにも、その先に新生活の扉は広がっている。果たして、CDデピュー、そして大人気アイドルユニット・クリームあんみつとの出会いの先にはどんな新世界が広がっているのだろうか。
 
 

感想

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©浜弓場 双・芳文社/おちこぼれフルーツタルト製作委員会
というわけでおちこぼれフルーツタルトの2話レビューでした。前回はオーソドックスなキャラに思えた衣乃、2話開始数分で変態的女の子好きに変身! キャラ紹介に「好きなものは、女の子!」とはあったがここまではっちゃけるとは想像もせなんだ。というか4人とも皆4人の中でチョロさを発揮しまくっているので、「そういう世界」と感じられて逆にガチっぽさがないくらいに思えてくる不思議さ。
ボールが急加速を始めたような印象もありますが、そのあたりのスピード管理も楽しみになってきました。